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平方録

目覚めをしくじった朝

ごく自然に目が覚め、「あぁ、もう起きる時間か」と暗闇の中で思う。
頭の片隅で「目覚まし代わりのラジオニュースは聞いたっけ?」という疑問が頭をもたげるが、これまでにだって目覚ましラジオのお世話にならなかった朝はいくらでもある。
しばし布団のぬくもりとの間で葛藤があった後、渋々ベッドを離れる。
念のため時計を確認すると、暗闇の中でデジタル表示の「2:23」という数字が光っている。
「やっぱりそうか、まだ1時間半は眠れるじゃん」

幸いなことに、ベッドに横になって目を閉じさえすればすぐに寝入ることができる。
その意味では、ありがたい特技が身に備わっているものであるとつくづく思う。

そして1時間半後、今度はちゃんと目覚まし代わりのNHKラジオのニュースで目が覚めた。
でも今朝はどんなニュースが流れたか、トンと覚えていない。
しかもパソコンを開いた時は4:46にもなっていた。
帳尻は合ったつもりでいたが、そうじゃなかった。
かくして、普段のルーティンを踏み外した朝というのはどうもしっくりこない。
どことなくだるい感じがするし、頭の回転はゼロに等しい。第一、気持ちが良くない。
はっきり言うと、失敗の朝である。

外気は冷え切っているし、雨粒こそ落ちてきてはいないが、今にも泣き出しそうな空模様で、ネットの天気予報では傘マークさえついている。
不景気この上ない。
部屋ではガスストーブを点けて寒さをしのいでいる。
あの春はどこに行ったのさ。
まったくテンションが上がらない…


見出し写真もこの写真も相模川河口すぐ近くの茅ケ崎・柳島の海岸。
この辺りはハマヒルガオの群落があるところで、人が少なく、好きな浜辺の一つである。

わが家から相模川左岸の河口まで18km。往復するだけだとちょっと距離的には物足りないが、湘南海岸自転車道の気持ちの良さは格別で、毎日走っても飽きない。
昨日はこの浜辺に寝そべって30分くらいウトウトした ♪
小さな波でも寄せては返す波音が実に心地よく、目を開けていれば真っ青に広がるはるかかなたの空に、目を閉じれば波音の中に身体が吸い込まれて行きそうな感覚を覚える。

iphoneで撮っているのだが、本物の景色はもっと明るい。
ないものねだりなんだろうが、もう少し実際の光景、雰囲気に近づけないものだろうかと、もどかしく思う。

箱根連山も丹沢山塊も見えているのに、その中央にデンとそびえる富士山が、最近、隠れたまま姿を見せてくれない。
積雪の様子を確かめたかったのだが、季節が進んでだいぶ溶けてしまっていることだろう。

正面に見えているなだらかな丘は大磯の湘南平(高麗山)で、安藤広重の東海道五十三次の平塚宿に描かれている山。
湘南海岸・片瀬西浜から見ると、この湘南平の上に大きな富士山が姿を現すのだが…

相模川河口に架かる国道134号の湘南大橋を渡って右岸堤防を遡る。

東海道線の鉄橋をくぐりさらに進む。わざわざ右岸に渡り、川を遡ったのは走行距離が50kmに届くようにしただけの話。

我が家近くの石垣で咲く白いタツナミソウ。

ロックガーデンの花じゃあるまいし、誰かがタネでも蒔いたんだろうか。
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