結局、この男が最悪だったのは立憲主義の何たるかを全く理解しようとせず、権力者が最も忠実に守らなければいけない憲法を全くないがしろにしたことだ。
加えて、少なくとも戦後以降の指導者がその行使に当たって、臆病なくらいに抑制的にしてきた権力の使い方に関しても、この男は何のためらいもなく、駄々っ子が地団駄を踏んで泣き叫んで結局自分の望むものを手に入れるのと同じく、自分自身の欲望のままに躊躇なく、権力をほしいままにしたことでもある。
その典型例の一つが集団的自衛権の行使を国会審議にかけて議論するどころか、憲法が行使を禁じ、歴代内閣もそれに従ってきたにもかかわらず一方的に閣議決定という形で一内閣の判断だけで憲法解釈を変更してしまい、行使容認を決めてしまったことである。
民主主義のルールもヘチマもあったものではない。
こんなことが白昼堂々とまかり通ってしまったのだから、日本が独裁国家でなくて何だというのか。
ひとえにこの男の罪は大きい。
まるで、日本国はある日突然、独裁国家にされてしまったのと同じで、それがあろうことか7年8か月も続いてしまったのは、ひとえに国民の多くがアベノミクスなどと言う呪文とともに催眠術にかけられ正常な判断力を奪われたからとはいえ、つくづく情けないことだし、こうした男の正体を見破れずに野放しにした責任の半分は国民にもあるのを忘れるわけにはいかない。
昨日2020年8月28日午後2時過ぎ、ふと目をやったスマホの画面に「アベなんちゃらが辞意」の文字が音もなくすぅ~っと浮かんだのを見た時は、病院通いをわざわざ全国中継させるくらいだから、放り出す儀式をやり始めたなとは思っていたが、現実にそれを目の当たりにすると感慨もひとしおで、やはりうれしくホッとした。
それにしても唐突感は否めない。
ヤツは第一次政権同様、懲りずにまた放り出したのだ。そうとしか言いようがないではないか。
どこまでも無責任な男であることか。
1年延期したって東京五輪の開催は絶望的だし、拉致被害者の問題は手も足も出ない。北方領土はプーチンにコロッと騙され、かえって返還は遠のいてしまった。鳴り物入りで掲げた金看板の憲法改正に至っては衆参で3分の2の議席を確保しながら果たせず、コロナ対策では全く新しい脅威に対して国民を守るべき何ら有効な方策を打ち立てられずに、危機管理能力の欠如をさらしたばかりだ。
疲弊していて今後もさらに悪化が予想される経済の立て直しという難題も横たわる。
モリカケサクラの旗色の悪さは自身が一番痛感している所だろう。
今後残り1年の任期を全うしようとしてもいいことなんてこれっポッチもないということが、奴には見えてしまったのだ。
汗みどろになって国民のためにもがくことなんてことはドダイできない相談なのだ、この男には。
汗もかかず手にマメさえ作ろうとしない男なのだ。それでも何事かが手に入ると信じ込んでいて、それがもう望むべくもないと知れば政権を放り出すしか奴には手はないし、敵前逃亡だろうがへっちゃらなのである。
そういう男なのだ。
それにしても7年8か月とはいかに失われた月日の長かったことか。
これからが肝心で、奴がめちゃめちゃに壊してしまった制度や人々の心をどうやって修復していくのか、大きな課題だろう。
築きあげるのは長い年月と多くの人の汗によってしか成し得ないが、壊すのは本当に一瞬の事だっただけに、再構築に本格的に取り組もうという人物が出てくるかどうかだ。
まっ、何はともあれ、昨晩の夕食は買い置きのパック詰めの赤飯をパントリーから引っ張り出し、電子レンジでチンしてゴマ塩を振って食べた ♪
わが家の庭に咲いた野の花を張瓶にさして