五月晴れの真っ青な空に誘われて自転車に乗ってこようとしたら後ろのタイヤの空気がすっかり抜けてぺしゃんこになっている。
選択肢は2つ。
➀自転車を引きずって自転車屋まで押して行きパンク修理をしてもらう➁DIYの店に行ってパンク修理材を買ってきて自分で修理する-―。
この中間に➁に近いのだがDIYの店に行って瞬間パンク修理材のようなものを買ってきて手当てするってのがある。
しかしこの方法はパンクの根本修理にはならないので、後日自転車屋に運んで修理してもらわなければならないという点で、中途半端で、あくまで応急修理的な域を出ない。
ということで、自転車屋はどこにあったっけと思い浮かべると、隣町への県道沿いに自転車ばかり扱っている大きなチェーン店があるのを思い出した。
でも、わが家からは2キロほど離れている。
歩くだけならどぉってことないが、乗れなくなった自転車を押していくにはちょっと面倒な距離だ。
瞬間パンク修理材を買ってきて応急修理をした後に自転車屋まで乗っていく方法があるが、瞬間〇〇は値段が高そうである。
で、ボクが取った窮余の一策はパンクしたタイヤに改めて空気を入れてみた。
もうこれ以上無理というくらいにパンパンに空気を入れて見ると、空気はなかなか抜けない。パンクなんてしていないかのようだ。
それでピンときた。
このまま走っちゃえ !
1キロ走れればそれでヨシ。もっと走れればさらにヨシ。
…ということで、2キロは難なく走破し、楽チン楽チンで店に到着できた。
店に着くと応対してくれた店員がきれいに乗っていますが、タイヤの表面の溝が無くなっちゃってますね、それとブレーキとギアのワイヤーが錆び切っちゃってるじゃないですか。この状態じゃいつ切れてもおかしくありません、と単刀直入に痛い所をついてくる。
現在使っている自転車はもうかれこれ10年になる。
自分でも日ごろ感じていたことで、せめてタイヤ交換くらいは安全面を考えると必須だなとは思っていたのだ。
で、前後のタイヤを新品に交換してもらうのとパンク修理で30分もあれば終わるだろうと思っていたら、何と1時間半後に取りに来てくれという。
街から自転車屋が消えてパンク修理ひとつとっても修理するとなると、どこで? ということになってしまう。
この専門店の一角では使い込まれた自転車が数台並び、その隣で油にまみれている店員が黙々と修理をこなしていたから、修理依頼が混みあっている事情は理解できた。
それにしてもパンクするなんて何年ぶりだろう。
記憶のヒダをほどいてみても今からウン十年前までさかのぼらなくてはならないくらい昔のことになってしまう。
たしか30代後半か40代初めころ、わが家から25キロ離れた大磯でパンクしてしまい、修理屋を探してさまよったことがある。
結局自転車屋は見つからず、目に入った大きなスーパーでパンクの修理キットを手に入れ、相模川の河口まで押して行った。
そこでチューブを引っ張り出し、自転車に備え付けの空気ポンプで空気を入れて川の水に浸し、チューブから泡が出てくるところがパンク箇所なのでそれを注意深く探し、
穴の開いてしまった箇所に紙ヤスリをかけて接着剤がくっつきやすいようにしてからつぎ当て用のゴムを張り付け、角のない石を探してきて修理箇所を叩いて馴染ませて乾くのを待った。
こういう修理方法は子供のころにパンクすると町の自転車屋に持っていき、店のおじさんが修理してくれるのをじっと見ていたから記憶しているのであって、そういうことが役に立っていたのだ。
昔はよくパンクしたものだった。
その度にじっと手さばきを見ていたのだから、見よう見まねでもなんとかなった。
今の自転車には空気ポンプが付いていないから、外で修理するにはポンプを探さなければいけないのでちょっと無理かな。
万が一今度パンクしたら修理キットを買ってきて家でやってみようか。
何せ昔取った杵柄ってものがあるからね。
で、新品に交換した溝がくっきりしているタイヤで湘南海岸の自転車道を走って意外なことに気付いた。
路面に2~3cm海砂が堆積したところをそのまま通過しようとすると、溝が砂を噛んでしまって動かなくなってしまう。
表面がつるつるになってしまったタイヤだと砂の表面に乗り上げ、うまくいけばそのまま砂をかき分けるようにして進めるのに…
新品タイヤはきちんと確実にグリップが効き、スリップしたりしないようになっているのだから安全面を考えればそれでいいのだが、いちいち引っかかるのには若干閉口している。
思わぬところで論より証拠って言うのを実感させられた。。
溝のあるタイヤと無いタイヤ。その差は歴然としている !
こんなささやかに見える溝だけど、威力は十分 ! ツルツルは危ないよ
メイストームにあおられて寝ぐせのついてしまった髪の毛のようにクシャクシャになっていたアーチの「伽羅奢」は少し元にお戻りつつあるが、でもまだぐちゃぐちゃ
日曜日かと錯覚しそうな木曜日午前10時半の江ノ島・湘南港岸壁
(見出し写真はこぼれ種から咲いたクロタネソウ)