親指の先くらいの大きさで、表面には案外照りがある。
つまみあげて見ると、土に接している側に直径5、6ミリの丸い穴が開いていて、中は空っぽである。
中身を吸い取った後の残骸を捨てたようである。
卵が落ちていた場所はシジュウカラ用にと手作りして架けた巣箱の下あたりである。
巣箱は一旦は思惑通りにシジュウカラのつがいがねぐらにしてくれたのだが、これに気付いたスズメがシジュウカラを攻撃して追い払ってしまったのである。
今は空っぽのはずである。
どこかの巣に忍び込んで奪い取ってきた卵には違いないが、どこの巣からで、親鳥は誰だろう。
卵に開けられた穴の直径から類推するに、犯人はそれほど大きな鳥ではないように思える。
子育てを妨害して巣の中から卵を落としてしまうということではなく、食料として盗んでくるというのだから恐ろしい話である。
さても自然界は油断も隙もないものだ。
それにしても、架けた巣箱の下に落ちているというのが気になる…
昨日は逗子の蘆花記念公園でわが句会の吟行があり、そこで一緒になった地元の友人が「わが家の近くではとっくにホトトギスが鳴いてるよ」と言う。
ブログを読んでの感想で、あの独特の声を間違えるはずはないので、隣町には確に渡ってきているのだろう。
今朝、鳴き声が良く聞こえるように、4時に起きてガラス戸を開け放しているのだが、ウグイスやシジュウカラの鳴き声は耳に届くものの、やはりホトトギスの声は聞こえてこない。
託卵相手のウグイスの声は聞こえているのだから、条件的には整っているはずである。
♪ 卯の花の匂う垣根に ホトトギス早も来 鳴きて 忍び音漏らす 夏は来ぬ
卯の花も咲きだしているのに、一体どうしたことか。夏の到来を実感するには、やはりホトトギスの鳴き声がなければ始まらないのだ。
それにしても窓を開け放していると、さまざまな鳥の声が聞こえてくるものである。しかし、判別できるのはホトトギス、ウグイス、シジュウカラ、スズメ、コジュケイ、カラス、モズ、画眉鳥くらいの、ほんの一部に過ぎない。
もう少し知識があると楽しみ方も増えそうである。
句会の兼題は「薄暑」。わが作品は以下の通り。
膝小僧みるみる赤き薄暑かな
波裏に銀青走る薄暑かな
虫喰いのバラの花芽や夏来る
巣箱掛け諍い呼びし落し文
ウグイスの心を知るや不如帰
落ちていた中身の空っぽの卵
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