サクラよ、そなたはかくも強かったんだっけ、しぶとかったんだっけ、いつから性格を変えたんだい、と問いただしたくなる気分である。
なぜ? どうして? と疑問は募るのだ。
まぁ、サクラが長持ちしたからと言って、天下の大勢に影響があるわけではないのだが、ボクを含めてサクラを眺める余裕のある人間には好ましい現象だったと言ってよいのではないか。
こういう年もあるさ、ということだろう。
禁漁が明けてからすでにひと月以上経ったシラス漁だが、大漁が続いているとは聞こえてこない。
例年だと、サクラが散るころからよく獲れ出すというのが相場らしいから、これからはわざわざ網元を尋ねる真似をしなくても、黙っていても魚屋や獲れたての地場の魚の販路を持つスーパーの店頭に並ぶはずである。
例年だと初物を早く口に入れようと、あちこち網元に電話してみるのだが、今年はそんな真似は一度もしていない。
ここでも、なぜ? どうして? なのだが、サクラと一緒かどうかは知らないが、そういう気分ではないというだけの話で、特に理由があるわけではない。
どのみち時間が解決することだろう。
わが家周辺の低い山々ではヤマザクラが真っ盛りで目を楽しませてくれているが、日に日に落葉樹の木々に葉が戻りつつあって、ヤマザクラの薄い色と芽吹いたばかりの葉の色が重なり合って、山全体がかすんで見えるほどである。
「山笑う」というより、山全体で大笑いし始めた様相なんである。
にぎやかになってきた。
わが家で好き勝手に伸び放題にさせているモッコウバラがハナミズキの枝を借りて天高く這い上っているのだが、この伸びたツルにびっしりと付けた蕾がまさに開かんとしていて、今日あたりからちらほら咲き始めるはずである。
モッコウバラの花期は短いが、この花が終わるとハナミズキやヤマボウシが咲き、様々なバラへと花が続いてゆく。
これからは園芸愛好家にとっては大忙しだが、最も好ましい季節がやってくるのだ。
バラに関していえば、今年も大方針は無農薬栽培である。
去年初めて挑戦してみて、つぼみが付き始める4月下旬辺りから蕾をかじられたり、つぼみをつけた柔らかい茎に卵を産み付けられたりして、大いに嘆いたものだが、今年も武器は目視と指先、ガムテープ、ピンセットくらい。あとはカナヘビやテントウムシ、カマキリ、小鳥などがわが友軍であり、心強い味方なんである。これらの連合軍で憎っくきバラゾウムシやチュウレンジハバチ、アブラムシに対抗していかなければならない。
「大量破壊兵器」を使えば簡単なのだろうが、どこぞの45代大統領に目をつけられると大変なので、そういう物騒なものは使わないんである。
今年ももう一部で、芽生えたばかりの柔らかな茎がやられて垂れ下がっているのを見つけて、いよいよゲリラ戦が始まったことを知ったのである。
戦闘開始。知らないところで被害が続くと気が滅入るし、心が折れそうになるが、ゲリラ戦に勝ち抜くにはこちらも神出鬼没の戦術で対応しなければならぬ。
チェ・ゲバラの写真でも飾っておくか。めげるのではなく、しつこく抵抗を試みるのだ。
概ね梅雨入りまではゲリラ戦、梅雨入り前あたりからはうどんこ病やら黒星病の病原菌との戦いに移る。
早い種類ではすでにいくつも蕾を持ち始めている。今月末からの大型連休中には最初の花が咲き始めるはずである。
こちらは鉢植えの「空蝉」。茎が柔らかくて花の重みで首をやや垂れることがあるのだが、薄茶色の上品な花をたくさん咲かせる。この茎には4つもの蕾がついている
ハナミズキの枝を借りて這い登っているモッコウバラのつるにはたくさんの蕾がついていて、今日か明日かと開くときを待っている
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