今からもう20数年も前に取材対象だった3人の元県会議員諸侯から「お元気ですか。時々集まって酒を飲みながらあなたの噂をしています。よろしければお顔を見せてくれませんか」という連絡が後輩を通じて届き、何とまあ物好きなことかと思いつつ、指定された場所に足を運んでみた。
民社党という今はない中道政党があり、そこの所属議員たちだったのだが、細川連立政権誕生前の流動化しつつあった中央政界での政界再編の流れの中で、彼らの県議会での会派も又分裂騒動を引き起こし、ゴタゴタもめていたのである。
はっきりって食指の動く取材ではなかったのだが、小さなものであっても火の手が上がれば駆けつけるのが役目である。
しかし消防隊員と違うのは彼らはすぐさま火を消しにかかるが、当方の仕事はそれを見守り推移を記事にして紙面に掲載することである。
まあ、その取材の過程でボクの存在が印象に残ったということらしいのだが、一生懸命真面目に取材はしたがそれ以外に特別なことをした覚えもないのに、いまだに話題に上るというのがよく分からないところではある。
3人の元議員を除くと議会事務局員と県警の議会担当者が3人、それにボクと後輩記者に声がかかっていて、ははぁ~ん、この元議員たちの思い出に住みついているのはこういう人たちなのかと、彼らの来し方を垣間見る思いである。
まぁ思い出話に花を咲かせるためには、自分たちのことを良く知っていてくれている人物の方が都合がいいだろうし、一緒になって懐かしがってくれないと彼らも不完全燃焼を起こしてしまうのだ。
そういうデンで行けば、今回の人選の意味もおぼろげながら理解できるというものである。
で、酒宴は生ビールが到着するや否や、この間の無沙汰もものかわ、お互いの近況報告もないまま、乾杯だけしてその後は8人がてんでんばらばらに隣席同士で思い出を語り合い、時に向かいの席の出席者に向かって「お~い、あれは何それだったったよなぁ~」などと大きな声で同意を求める程度である。
そういう現象が時折現れるが、それはそれで全体の話題にはならず、それっきり。
話題はと言えば、あの時はああだった、こうだった、思えば良き思い出ですよ、というものばかり。思い出というものは誇張され、美化されるものと決まっているのだが…
そんなよどみに浸かったまま3時間半。また声をかけさせてもらいますので、どうぞヨロシクと言われて別れてきた。
しかしなぁ……、これ以上まだ思い出話をするつもり?
ボクもジジイの部類に分類される年頃になって堂々たるヒマ人の一人だから時間は十分ありますがね、いろいろ考えさせられちゃいましたねぇ。
昨日一昨日と続いての宴席だったが、今日も又。3連ちゃんはこの年になって珍しく、ここだけ取り上げれば現役並みということになるが、今夜の席は先日亡くなった元知事さんを偲ぶ会。
元知事さんを囲んで時々使った蕎麦屋の小部屋での少人数の宴席だから、少しはまともな会話が成り立つことを期待して出かけることにしよう。
朝日に映えるわが家のパンジー
「みやび」という名のパンジーだが、どれもなじ色合いのものはなく、皆微妙に違っているところが楽しく、美しい
「空蝉」のつぼみが! あとわずか…
思い出は事実を超えて誇張され、美化されてゆく…
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