児童ポルノ法の施行から改正に至るまでの約十五年間は、皮肉にも日本の出版史において十八歳未満のグラビアアイドルの商業作品が最も多く発表され、当時二、三十代で性欲が旺盛だった僕もそれらのお世話になった。少女ヌードの愛好者には同法施行がゲームセットだったにちがいないが、裸よりも水着姿に激しい性的興奮を覚える僕にとって、結婚適齢期を逃しても決して後悔することのないほど恵まれた時代だった。
法改正によって、児童ポルノの商業作品は新作が発表されなくなったものの、改正前の作品は古書店に行けば手に入るし、インターネット上でも視聴できる。少女ヌード写真集は国会図書館でも閲覧できなくなったようだが、グラビアアイドルの写真集やイメージビデオはそこまで締めつけられていないから、ネットオークションでも普通に出品され、今もなお売買的価値を持ち続けている。
僕もそうだが、国内外の児童ポルノ愛好者は、児ポ法施行から改正までの約十五年間に発表された作品に執着し続けているのではないだろうか。愛好者と一口に言っても、ジュニアアイドルの過度な露出を好む者もいれば、僕のように高校生世代のスクール水着姿で満足してしまう者もいる。愛好者の性的嗜好はそれぞれ異なるのに、法律はそうした多様性を一切考慮に入れず、十八歳未満と一括りにして「殊更に性的な部位が露出され又は強調されている」の一文が追加され、出版社と芸能プロダクションも新作の発表に及び腰になってしまった。
新作の写真集やイメージビデオが発表されないことは、かえって過去の作品が過大評価され、いつまでも需要に応じて拡散されていく。それが果たして健全と言えるのか。女優やタレントになる夢が叶わず、すでに芸能界から足を洗っている元グラビアアイドルにとって、自らの少女時代の仕事が動画サイトに勝手にアップロードされ、卑猥な書き込みが綴られていることは嫌でたまらないだろう。新作が間断なく発表されれば、新陳代謝によって旧作の知名度と執着度が低くなり、やがて忘れ去られていくにもかかわらず、今はそれがないから旧作の過大評価が続いている。
また、法改正にもかかわらず、玉田志織や沢口愛華、南みゆかのように大手の出版社と芸能プロダクションが十八歳未満の少女に水着の仕事をさせ、あまつさえ写真集も発表しているのに、所管官庁や人権団体から何の指摘もなく見逃されたのは何とも不思議で、それならカテゴリーリーダーの彩文館出版も摘発を恐れずに追随してみてはどうだろうか、と言いたくもなる。
繰り返しになるが、児ポ法施行から改正までの約十五年間で、日本は児童ポルノ大国となり、その間に発表された数多の作品が今日でも売買的価値を持ち続けている。外国人旅行者の中には、児童ポルノの作品収集が訪日目的なのもいるはずで、それならいっそ児ポ法の厳密化を見直して再び新作を発表する市場環境のほうが経済効果も上がるのではないか。それもまたクールジャパンの構成要素の一つなのだから。
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