オナペットとみなすほどの自慰回数を重ねるまでには至らなかったが、僕が自慰用素材として用いてきたグラビアアイドルの中でAVに転身したのが何人かいる。いずれも本人たちの作品を見たことがない。年端もいかぬ少女の水着姿で散々性欲を発散してきた僕にとって、旬を過ぎたかつての素材の裸身や男優との本番行為を見せられても、性的嗜好とシンクロしないからだ。素人っぽい高校生世代を思わせる作品にはいくらか興奮するが、ギャルのように垢抜けてしまっては興味が湧かない。
すでに紹介した小向美奈子を除き、僕がお世話になった自慰用素材の中でAVに転身した一人目として、工藤珠琴を挙げたい。工藤は一九九〇年代後半の「お菓子系」アイドルの一人で、僕は神保町かどこかの古書店で彼女が巻頭を飾った「クリーム」のバックナンバーを定価の約四倍で買った覚えがある。そこらへんにいそうなぽっちゃりした佇まいだが、素人っぽさを残すロリータフェイスにたちまち魅了され、ワンピース水着やブルマーといった露出度が低い衣装でも十分性的興奮を高められた。
工藤のAVデビューはクリームの誌面でも紹介されたほどだが、当時の僕はそのことを知らなかった。今のように種々雑多な情報が即座に手に入る時代ではなかったので、工藤が九八年に柏木綾として数作品を発表したのを知ったのは、もっと後になってからだった。本ブログを書くにあたり、FANZAで“柏木綾”と検索すると、デビュー作の「初恋」を含む単体での三作品が販売されている。古い作品なのでサンプル画像が拡大表示されないのが残念だが、幼さが残る表情と露わになった乳房に軽い性的興奮を覚えてしまう。
元お菓子系ゆえにブルセラ路線の作品が続き、五作目の「監禁エンジェル」と六作目の「パンスト天使」でロリータ系からの脱却を図ろうとしたものの、六作目をもって引退。AVでの活動は約半年間だった。それだけの短期間にもかかわらず、工藤の作品が二十年以上経った今でも商品として流通しているのは、廃版となったり、販売を取りやめたりした3号ポルノとは対照的だ。若気の至りとはいえ、夫でも恋人でもない男性と絡み合った自らのポルノグラフィが細々と売られ続けているとは、当の本人はどう思っているのだろうか。
お菓子系で巻頭を飾るほどの人気を博しても、AVで大成しなかったのは、工藤がブルセラの枠から抜け出せなかったからだと思う。ロリータフェイスと十人並みの体躯では、僕のような特殊な性癖を持つ者にしか支持されず、それこそグラビア以上にデビューの間口が広いAVでは、さらにニーズが細分化されてしまう。AVで名前が売れ、トップを張れるのは、グラビアよりも難しいはずだ。
やはり、僕にとっては高校生世代だった頃の工藤のグラビアのほうが、柏木のサンプル画像よりも性的興奮の度合いが高まってしまい、ネット上の拾い画像を二度見してしまうほどだ。もう六、七年遅く生まれていたら、福愛美のように新興の芸能プロダクションにスカウトされ、写真集を出すこともできたのではないか。お菓子系の“進学先”が即AVだった当時が悔やまれる。
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