日々新化、ランニングする整形外科医

#ランニング #整形外科
マラソン3時間切りを目指す整形外科医の日常から想うことを中心に発信していきます。

体動困難と腰痛

2023-06-13 13:02:20 | 整形外科

今日は最近の診療でのひとこまでのお話です。

 

70代男性。別の病気で1ヵ月半程度の入院のあと全然動けなくなってしまったと奥様から訴えがあり、本人も思い通りに動けないと、しばらく動くと腰が痛くなり、更に動けなくなると。

 

明らかな麻痺はありません。正しい骨格運動の事に考えが至っていなかった以前の私なら、診察の上で微妙な判断もありますがまず間欠性跛行の症状と考え、腰部脊柱管狭窄症を疑うのではないかと思います。骨格だけですべてが分かる訳ではありませんから出来る検査はした方が良いでしょう。身体の事を調べるツールとしてMRI検査はありますので、ささっと調べます。しかし、腰椎変性はありますが間欠性跛行を起こすような腰部脊柱管狭窄症はありません。

おそらくそうじゃないかなと思ってましたので、一通りの診察が終わったので、診察室を歩いてもらいます。歩いてもらって本人の感覚的に困っている事を確認します。それとこちらが思った動きからどう感じているかを擦り合わせてそこから運動を逆算します。本人の感覚は進みたいけど進まない。こちらが見ても進みたい上半身と無意識に慎重に動いてしまう下半身が噛み合ってません。なんとも固まりすぎているので、立位での運動は力みが入りやすいので座位で出来る事の指導になります。その場で改善感はありましたが・・・。

 

それを2週間やってきての診察、だいぶスタスタと入ってきました。前回は知らず知らずに険しい表情でしたが、表情も緩んで笑顔も見られました。もちろんまだまだ不安要素はありますから今回は内転筋を緩めて使えるテーマを与えました。やってみたあとの動く自分にびっくりの顔。

 

この瞬間のためにやっているのかもしれません。実は奥様が私を知っていたからの受診でしたので奥様からも先生の運動は効果的面なのよってお褒めの言葉もいただいて嬉しくなって更に頑張らないとと思いました。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿