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因果は巡る

昨日は20年ぶりに通関状況把握のために成田空港に行った。知っておられる方からは輸出入業者でもないのにと思われようが、モデル(女性やおまへんで)やテスト車輌の海外輸送は研究部門の大きなイベントであり、下手に着日を遅らすと担当者にはドえらいクレームが殺到する。

正直に言うが、20数年前ぼーずはこのクレーマーの一人だった。現地のスケジュールはタイトで後がない。欧州だと現地適合テストには各現法(現地法人、非日本人にもGenpoで通じたがウチだけかな?)から関係者がフランクフルトに集まる。各国2~3人でも集まれば一クラス出来てしまうのだ。

一人15分試乗させて、レポートを書かせ飯を食わして・・・と段取りを整えるのは駐在員の仕事である。さあ、明日はイベントという時に通関業者から『テスト車の引き取りが遅れています。日本が出し遅れて予定の便から落とされました』なんて電話が来ると・・・パニックなんぞは起きない・・・ただ、頭の中が真っ白になる(笑)。

そこを何とか切り抜け、朝一で届いた巨大な木箱をばらしてテスト車を取出す。エンジニア達がそいつを仕立て終わる頃になると、客の顔をした現法の担当者たちがやってくる。中には『Hey! Boozu。コーラはペプシじゃなくコークにしてね』なんて能天気なリクエストをくれる奴もいる。『フランス人がコーラなんか飲むな!』 非国民め(笑)。 

テスト中も大抵、誰かが何か仕出かしてくれる。通常はテスト車の性能を確かめるため、比較車と呼ばれる市販車を準備するのだがレンタカーで借りられないものは無理やり調達してくる。そいつのナンバープレートが机に置かれていた時はその場で全てを悟った。誰かナンバー無のまま走りに出たやろ(笑)。ナンバーと工具を持ち、慌ててそのソコツ者を追う。

こーゆードタバタを終え、ほっとした翌日の朝、日本に電話する。1日の仕事をほぼ終えて疲れ切った発送担当をつかまえ 『今度やったら殺す。こっちは中古のワルサ―あちこちで売ってるんやで(無論大ウソ・・信じないでね)。おまけに、そーゆーいい加減なことやってると海外に飛ばされるぞ』と天に向かって唾を吐くぼーず(笑)。

ぼーずの忠告は現実となりその後、彼は海外に駐在し貨物を待ちわびる身になった。唯一の計算間違いは、20数年経ってから自分がその男の業務に就くとは思わなかった事である。現在必死で昔を思い出しているところだ。なにせ、この業界20数年経っても理不尽がまかり通る世界なので・・・。
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