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鉄の腰

子供の頃、フットボール、野球、バスケがアメリカの3大スポーツと言われてはいたが、本物を見る機会は極めて少なく、フットボールだけが異常に過激と思い込んでいた。しかし本物を見る機会が増えた為、野球やバスケもかなり激しぶつかる事を知った。

ぼーずの高校時代にバスケで接触することはファールを意味した。但しボールの絡まないポジションの取り合いではよほどひどく当たらない限り、ファールは取られることはなかった。背が低い自分としてはリバウンドを上で取られない様、ボールの落下地点で先にポジションを確保する必要があったので争いは避けられない。

手で押せば間違いなくファールだが、相手より一歩先に入り腰でブロックする分には問題無い。それがエスカレートすると腰アタックとなる。親友のノリオもこれを得意としており、二人でガンガン当てていた。わざと当てているのだから、バレれば立派なファール。かくしてぼーずとノリオは5ファール退場の常連となった。

卒業と同時に我々はバスケに別れを告げ、少々のぶつかり合いでは退場させられることの無い種目、フットボールを選んだ。ぼーずが選んだのはラグビー。スクラムを組むポジションであったから、腰には気を遣い、ベッドの上にはベニヤ板、その上に薄めの敷布団という暮らしを大学の5年間??続けた。

おかげで職業病の腰痛には悩まされたことが無かった。唯一危なかったのは、工場勤務時代に狭い通路で横を向いたまま重量物を持ち上げた時だ。腰から背中に痺れが走った。その瞬間に持ち上げたもんを床に放り出し、事なきを得たことがあった。『高価な会社の備品より、大切なのは自分の体』わはは。

問題なのはひとつ・・・鉄は錆びるのだ。明日は錆びた話をひとつ。
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