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閑中忙有り

さすが師走である。いつもは暇な僕でも気忙しく感じる。元凶は婆さんの思い付きリクエスト。やれ、これを買えあれをやれと言ってくるが、待つ気が無いからせかされるんだな。年末の荒巻は福島の叔母が送ってくれる。干す時に煙に当てるらしい。燻製程ではないのだが、ほのかに煙臭さがあって飯が進む絶品なのだが、こいつをサッサとさばけという。

これはずっと出刃と木槌で解体していたのだが、昨年は行きつけの魚屋に頼んだ所500円で切り身に卸してくれた。人間一度楽を覚えるとそれが当たり前になってしまう。で、シャケを担いで頼みに行った所『今年は勘弁して下さい』えー、あかんのかい(笑)。そりゃそうだ。去年は退職したばかりで週に数回は朝一で行って新鮮な魚を卸してもらっていた。今年になってからはせいぜい月に1~2回。

やっぱり顔見知りじゃないと無理は聞いてくれんなぁ。最近よく行くスーパーの魚売り場で試しに聞いてみた。『持ち込みは全部お断りしています』とあっさり言われる。直ぐに答えが出ると言う事は持ち込む奴も多いんだろうな(笑)。諦めて自分でやることにした。

問題がひとつ。うちには結構良い出刃包丁があるのだが、アホな婆さんが冷凍食品を切って大きく刃を欠いてくれたのだ。それも叩き切ればまだしも、力が無いから左右にこじるという刃物には最悪の事をしてくれた。うちの包丁は僕が砥ぐが、ここまでやられるともう素人の手には負えない。砥ぎ屋に出して修理を頼んでいた。

今日、出刃が返って来たのだが流石はプロだ。見事に砥ぎ直してきた。こりゃちょっと真似は出来んなぁ。試しに二枚卸しにして見たが、無理なく切れた。感心して荒巻の全体写真を取るの忘れた位だ(笑)ホントは骨の上ぎりぎりで卸すのが正しいのだが、そこは素人の技なんでご勘弁を。食べるなら絶対に骨の付いた身が厚い方だな(笑)



あっという間に切り身になったし、氷頭(アゴと鼻先の軟骨)の切断も簡単に出来た。うちはここをナマスか粕汁で食す。しかし、砥ぎ代が3千円だったが価値はあるなぁ。卸し代の5百円は懐に入れてやる(笑)思うにいつもより身が柔らかだから楽だった気がする。干し方が甘い気がするが、正月明けるまで持つかな?



台所に立ったついでなんで、クワイ煎餅を作ってみた。中々立派なサイズのクワイなので煎餅向きだ。今回はスライサーを使用し、直ぐに水に浸けてデンプンを落とす。



しっかりデンプンを蓄えた埼玉産のクワイは3回水を変えても白濁した。



ペーパータオルで水分を取り、揚げていく。



ケチな僕は芽や上端の分厚い所も捨てずに使う。他とは食感も違い、美味しいのに驚く。



まぁ、忙しいといっても、締めはやはりビールだな(笑)またこれがビールに良く合うんだ。

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