芋・蛸・南京という言葉がある。若い頃、こんな言葉が残っているのは京都位と思っていたが、10数年前にNHK連続ドラマのタイトルとなり知られるようになった。筆者が若い頃、この言葉を京都で聞いた時は女性の好きなものと教えられた覚えがある。そのせいだろうか芋は本来の里芋でなくサツマイモを指していたと記憶している。
個人的には余り甘い芋は好みではない為、最近の蜜が滴るような焼き芋はちょっと苦手。京都の焼き芋は変わった作り方のものがあり、分厚い鉄鍋に輪切りにしたサツマイモを並べ、塩とゴマを振ったものをじっくりと蒸し焼きにして提供する店があった。これが結構好きで、家でもこの方法で焼いていた。ほくほくしたものより、少し生っぽさが残ったのがいい。
有体に言えば、サツマイモよりジャガイモが個人的には好きなんだな。若い頃、会社の飯は同期の連中と社食で食っており、軽食にポテトサラダが付いた日はジャンケンで負けた奴がポテサラを山盛りにして皆でシェアしていた・・・どこが軽食やねん。他の食い物でこんなことはしなかったので、男はポテサラ好きなんだなと思う。
今でも週一位に作っては毎朝食べている。以前は男爵で作っていたが、最近はメークィーンが好みかな。作り方は、茹でた芋の皮をすぐにむいて潰す。そこにバターと酢を絡めてから晒しタマネギの薄切りを混ぜ込む。放置して冷たくなったら自家製キュウリのピクルスと辛子を加えてマヨネーズで和える。最後に黒コショウと乾燥パセリを振って完成。
コツは水っぽくならないよう、芋は丸ごと皮のまま茹でることと、芋が熱い内にバターを溶かし、酢を振ること。そして、余熱で薄切りにした晒しタマネギをしんなりさせることだ。また自家製のピクルス液には唐辛子を加えてピリ辛にしてある。後で加えるマスタードと胡椒が深みのある辛さにしてくれ、ビールに合う。実は甘い芋が嫌いと言いながら、少しだけ砂糖を加えコクを出すようにしている。
男性用はジャガ・タコ・ホルモンではどうだろうか?ま、美味かったら何でもいいか(笑)。我がオリジナル料理の中に“南京ダック”(旧名“貧民ダック”)というゲテものがあるのだが、これはまた別の機会に。