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最後のライブ

O=ヘンリーの著書に『最後の一葉』という名作がある。生きる気力を失った闘病中の女性画家が、向かいのビル壁にへばりついたツタを見て「あの葉が全部落ちたら私は死ぬ」とルームメイトに告げる。ところが一枚だけしぶとく残り彼女が「今晩こそ絶対に散る」と思った大嵐の朝もまだ残っていた。それを見て画家は再び生きる気力を取り戻す。

30日、富田のHideawayで新井武士さんが『このお店最後のライブです』と突然言い出した。思う所があり、66の誕生日を機に東京を離れて遠くに引っ越すという。今回のツアーでは自分の口から挨拶をしたかったと・・・えー!?突然何を?。確か新井さんは東京の下町育ち。大昔、西新宿のHideawayでやった時は高校の友人達が大挙してやってきたのに・・・ホントに引っ越すの?



譜面をセットする前にウィスキー台をしつらえるというミュージシャンの鑑(笑)。実はこの時、引っ越し先まで言われたのだが、彼のHPでは明らかにされていないので遠くとだけ書いておく。この日は新井さんにタニシ(西野やすしさん、田中晴之さんのDuo)が加わるという面子。



いつものタニシと違うのは・・・西ヤン、何持ってるんや??(笑)。なんとこの日はBassを持って登場。これまた大昔の天西で二部の始まりにいきなりSHOちゃんのベースを西ヤンが抱え、次に出て来たSHOちゃんはドラムセット前に座る。行き場の無くなった堀尾さんが『こら、ちょっと待て!』といった事はあったが、真面目にBassを弾く西ヤンを初めて見た。



驚いたことに・・・普通に上手いやんか。聞けばスタジオミュージシャンとして東京ではBassを弾いてきたという。故塩次伸ちゃんも塩小路低周波を名乗り、Bassを弾いたことは多々あったが、多分CDにはしていないと思う。ちゃんと二本の指でのアポヤンド奏法という王道ベーシストぶりだった。



今夜はギターの新井さん。ダウンタウン時代の“知らず知らずのうちに”この曲がデビュー曲だったそうだけど「売れませんでした」(笑)。すごくいい曲で、メンバーだった竜さんや静さんもまだ歌っている。3人とも本人の持ち歌に聞こえる程、自分流に歌うのがすごいと思う。



再三「疲れるから、座っていいよ」と新井さんにいじりまくられる晴ちゃん。竜童さんのバックをやったり、何かとDTBBに縁がある人だなぁ。



DTBB時代の曲だけでなく、かまやつさんの“どうにかなるさ”なんかも。今の新井さんにぴったりの曲だ。しかし「1年住んでりゃ、未練ものこるよ」って・・・東京には60年以上住んでたんじゃ(笑)



ホントに楽しそうに弾くなぁ(笑)引っ越すのは良いとして、また歌いに来て欲しいものだ。本人も「引退する訳じゃない」と言ってたし。因みに、冒頭の最後まで残った一葉は、同じアパートに住む老人画家が壁に描いた傑作だった。嵐の夜、ずぶ濡れになって描き上げたため重度の肺炎にかかり、彼の最後の作品になってしまう。

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