死んでも営業

アーティストが死ぬとそれを販売につなげようとする動きがある。作家の追悼全集などは可愛いもので、甚だしきは絵画の世界で、画家が死ぬと作品の値段が上がると聞いた。中にはしこたま作品を買い込んで『あのセンセ、そろそろ逝ってくれんか』と願う画廊もいるんじゃないだろうか。

購入歴から調べたのだろう、最近アマゾンがGary Mooreのメモリアル盤はいらんかとしつこく言ってくる。パリの散歩道から何年経ったと思ってるんだ？　と、履歴を調べたら、一時Garyがブルースに傾倒した頃のＣＤを買っていた。

はっきり言うと、ぼーずはミュージシャンの死後にテープをつなぎ合わせて無理やり作ったような曲は聴く気が無いので、その手のＣＤはパスしてきた。Jimi HendrixのＣＤが何枚か、お勧めに上がった時も買う気はなかったのだが・・値段を見てちょっとびっくり。割引価格ではあるが、なんと１枚千円強。

それもテープをつなぎ合わせたというものではなく、昨年ユニバーサルからソニーに移籍(死んでから？？)した事による再販版であった。しかしこの価格はないよな。作り過ぎたのだろうか（笑）。取り敢えず初期のメンバーで作ったValleys Of NeptuneとDVDまで付いているFirst Rays of New Rising sunを注文した。

Jimiは中３の時に『紫の煙』というSP盤を買ってノックアウトされた。世の中にこんな音楽があるのかとびっくりしたのを覚えている。それからは小遣いを溜めてはＬＰを買ってきた。借りたがる友人も多かったのだが２枚組のElectric Lady Landだけは近所のツレだけにしか貸さなかった。裸のおねーちゃんがずらりと並んだジャケットを学校に持って行けば没収の憂き目を見るのは明らかだったから。

Jimiの死後に買ったCDはほとんどがLPからの買い替えだったと思う。デモテープを切り張りした音楽なんぞ聴くものか。こちとらレコード会社のカモになる程、好青年には育ってないのだというつまらん気負いがあったのかもしれない。

CDが届いた。First Rays はDVDにはミキサーの他、初期のドラム、Mitch Mitchell、ベースのBilly Coxt達の興味深い談話が録画されていた。初代イクスペリエンスのメンバーで取ったValleysの方であるが、全くの別バージョンのStone Freeから始まり、スリリングな演奏が続く。このCD当たりだったな・・悔しいけど（笑）。