話はやはりドイツ駐在時代の事だ。ドイツ語どころか英語も満足にしゃべれないまま国外に放り出されたぼーずは途方にくれ、同じようなレベルの奴らと徒党を組み、会社で英会話を習いだしたのだ。(もちろん会社負担で・・・えっへん)
実はその前に、現地社員から『日本人で英語が上手い連中は我々と積極的に話そうとせず、家に招いたりしてくれるフレンドリーな日本人達は英語が下手で、どちらにしても意思が通じない』と嘆かれたのだ。うう、後者はまさにぼーずの事じゃないか。
受験生に人気のあるProgress In English(単にプログレスと言うらしい)の著者であるロバート=フリン神父に、もっと勉強せんかと怒られても、蛙の面にションベン状態だったぼーずだが、同僚の嘆きは効いた。『こら英語はやらんとあかんなぁ・・・』
そんな我々に初級英語、英式スラングを優しく教えてくれたのがフィル=ルイスという男だった。元々は彼のボスで英会話学校校長(肩書きは社長だった)のクリス=スラタリーが教えてくれていたのだが、劣等生クラスに嫌気が差したか(笑)。自分は現地社員の多くが参加したもうひとつの上級クラスだけを教え、フィルに初級クラスを譲ったのだ。
スコットランド出身のフィルは気さくで親切。どれ位親切かというと『なに?まだお前はマリファナを吸ったことがない!?今度持って来てやろうか』(笑)。レッスンは社内の会議室で行う。未練を残しながらもぼーずはその素晴らしい申し出を辞退した。
『マリファナ所持はドイツではまだ問題だが、オランダなら少量は合法』その手の会話がスムーズに英語で交わせるようになったお礼に、劣等生たちで彼ら二人を食事に招待した。食事が終るとクリスが『次は俺のローカルに招待する』と言い出した。それでは折角招待した意味が無い。ぼーずは割り勘で行こうと話を付けた。
そして日本では均等割り勘という方法があるけど、欧州じゃしないのかと尋ねた所、パブではありふれた方法だと言う。但し、均等にする方法がちょっと違う。まず最初の男が全員分のビールを注文し、彼が支払う。次に二人目、3人目と続く。『自分の支払いが廻ってくる前に帰ったらどーなる?』の問いには『友達無くすぞ』と即座に答えてくれた。うーん。それは困るな。
クリスのローカル(行き付けのパブ)は、当時のドイツでは珍しいギネスの生を飲ませてくれた。クリームのように滑らかな泡がのった1パイント(570cc)のギネスはすっと喉を通り過ぎた。ただ一つだけ問題が・・・我々は7名で彼らを招待した。きっちり割り勘にするには9回オーダーしなくてはならない。
アルコール分解酵素量が欧米人に比べ少ないと言われている我々大和民族にとって、このワリカンはちょっと体に悪いような気がするのだ。
一度19日にアップしましたが、都合により23日に移動させました。
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