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1978年 就職戦線異状あり(その2)

宿に戻ると、同室だったS川も戻ってきた。聞けば名古屋の大学で工学部、文系の我が身と利害関係は無し。結構気楽にしゃべっていた。また、問題集をやるのかと思っていると一緒にTVを見出した。今日はいいのと尋ねたら『面接で昨日印象に残ったニュースについて聞かれたから・・・』わはは、要領の悪い奴め。

2日目は面接だけなのだが、妙な題を貰っていた。曰く『人に誇れる学生時代のものを持ってこい』ケッタイな会社やなぁ。何持って行こう?卒論はまだ仕上がってないし、スパイクやジャージは体育会を強調しているようで嫌だった。結局、高校時代に描いたヴィーナスの木炭画を持参する。

高校時代の美術教師は上沼先生といい。哲学者の趣がある人だった。ある日、庭園のスケッチをサボり、画板を膝に腕組みしながら大阪湾をぼけーっと見ていた。突然、後から『いいぞ。芸術をしとるな』という声がかかる。先生であった。筆を持たない僕を怒る訳でもなく景色に見入る姿を褒めて行った。

この先生、描き方を教えることは殆どなかったのだが、木炭画だけは陰影をつけ質感を出すということを、手を取り教えてくれた。そうまでしてもらい…その絵は傑作になるはずだったのだが、途中でサボって早弁を食いに行ったのが悪かった。僕が右半分を描いた後で、自分の都合の良いようにヴィーナスを動かしたアホがいたのだ。

帰ってきて、残りを描き加え完成したのだが・・・角度を変えられたおかげで首がえらく太い女になってしまう。面接ではドギマギしながら人生が変わる程に影響を受けた上沼先生と悪ガキ達の話をした。自分で緊張しているなと思っているとエレキギターが(笑)。その内それに尺八の音が被る。何をやってるんだ。

楽器の演奏は思い付かなかったなぁ。いきなり面接官に振られる『君、あれどう思う?』・・・いやぁ、緊張してるんで尺八は和みます。エレキは・・・悪いけど僕の方が上手い(笑)後日、新聞で極めてユニークと話題になったこの入社試験であるが、グランプリは関西のラグビー部員だった。

彼は1年からの日誌にチームの課題とそれを克服するための練習内容をびっしり書き、4年のノート最後に『関西一部リーグ昇格』の新聞切り抜きが貼ってあったという。『我が社の求める人材はこういう人』とあったのと関西のラグビー部員が僕だけだったので『よ、求められた人材!!』と入社後、同期連中におちょくられたが、その年、一部に昇格したのは関学だ。僕じゃないんだよな(笑)

きっと事情があって、彼は入社しなかったのだと思うが、どういう人だったのかな。卒業しなかった?当時の総務なら知らん顔して入社させてただろう。うーん、気になる(笑)。


良かったら、ここの去年記事会社訪問時代の話もお読みくだされ。


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