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無精の極み

貧乏性のせいか、必要なものがすぐ取れる位の小部屋が好きだ。広い部屋や小ざっぱりと片付いている部屋だとどうもリラックス出来ない。ま、部屋が汚い言い訳としてはいい方かな(笑)。家の中にいて大抵のものに手が届くテント生活気分を楽しんでいる。立たずに済ますには孫の手が役に立つ。背中を掻くだけではもったいないもん。百均で売っていた竹の孫の手が最高。座ったままCDの操作や本を手繰るのにはもってこいだ。

横着をかましてデブるのも嫌なので、その分外で散歩でもしようと考えているところへ、更に無精を促進するものを買ってしまった。その名は電動歯ブラシ。最初はこんなもん買うつもりはなかった。そもそも歯磨き位は自力でやるべきだと考えていたし、歯茎のマッサージも兼ねて、歯磨きは熱心にやる方だった。

主義を変えたのは脅迫による(笑)。ぼーずのかかっている歯科医は名医である。10余年前にかかっていたヤブ歯医者の尻拭いをしてくれ、この先生になってから新しい虫歯は発生していない。また、歯を残すだけでなく、神経の温存にも熱心な人で全幅の信頼を置いていると言っていい。

この先生のいいのは治療だけでなく予防もしてくれる点だ。だいたい完治から1年弱をめどに検診を受けている。直前に予約時間を書いた葉書をくれるので忘れることもない。ぼーずはこれを10ヵ月点検と呼んでいるのだが、このおかげでぼろぼろの体に比べれば健康な歯と言えるものを保っている。

この人に脅かされたのだ。『馬鹿力で磨くと歯が無くなる』と。磨き方に付いては教えてもらったのだが、力が入り過ぎているというのだ。このまま続けると歯根がむき出しになる恐れがあると言われ、渋々買うはめになった。パナソニックのドルツという奴だが、歯ブラシに一万円はちょっとちゅうちょしてしまった。根が貧乏性だからね。

効能を読むと一分間に三万ストローク、歯先が前後に動き、電気で付着した歯垢を落としやすくするとある。歯垢云々は定かではないが、確かに使い心地はいい。当てているだけで磨けるので奥歯でも問題が無い。歯磨きのクリニカと併用すると歯がツルツルになった気がする。

ものぐさの極みと思っていたが、今やこれ無しでは暮らし辛い。ウォッシュレットといい、この手の商品には一度使うと止められなくなる魔力がある。これ以上怠け者にならないためにも、電動孫の手が発売されない事を祈ろう。
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