Mixi記事より転載します。
’01年に第1号店を東京・築地場外市場に「すしざんまい本店」をオープン。
現在では北海道から九州まで、51店舗を展開。
その多くが年中無休24時間営業で、本格的な寿司を手ごろな価格で楽しむ
ことができるという、それまでの寿司屋の常識を覆したのが、株式会社喜代村
の木村清社長だ。
◆「すしざんまい」が年間300件の海賊被害をゼロに
――「『すしざんまい』の社長が、アフリカのソマリアで、元海賊とマグロ漁を
やっている・・・と話題になったことがありましたね。
木村:
今でもやってますよ。
ソマリアの沖というのは、キハダマグロのいい漁場なんです。
ところが海賊が出るようになり、危なくてマグロを獲りに行けなくなって
しまったんです。
しかし、聞いてみると誰も海賊とは話していないという。
おかしいじゃないですか。
海賊といったって相手は人間なんですから。
それでさっそく、伝手を頼ってソマリアの海賊たちに会いに行きました。
そこでわかったことは、彼らだってなにも好き好んで海賊をやっているわけ
じゃないということです。
だったらこの海で、マグロを獲ればいいじゃないか。
自分で稼いだ金で家族を養うという、誇りを持った人生にしなくちゃいかん――
と、彼らと話し合ったんです。
――ソマリアの人たちは、内戦で国を失い、無法地帯となった彼らの海が荒らされ
たため、海賊になったと主張しているそうですが、自力では対抗できなかった
のでしょうか?
木村:
口で言うのは簡単ですが・・・、まず彼らは、マグロ漁の技術をもっていないし、
船もありません。
マグロを獲っても、それを入れておく冷凍倉庫が使えなくなっている。
獲ったマグロは売らなければなりませんが、そのルートをもっていない。
IOTC(インド洋まぐろ類委員会)に加盟していないから、輸出ができなかった
んです。
じゃあ、仕方がない。うちの船を4隻もっていった。
漁の技術も教えましょう。冷凍倉庫も使えるようにする。
ソマリア政府にはたらきかけて、IOTCにも加盟する。
獲ったマグロをうちが買えば、販売ルートも確保できる。
こうやって一緒になってマグロ漁で生活ができるようにしていったんです。
――「民間外交」の枠を超えた貢献ですね。なぜそこまで?
木村:
いろんな国や国際機関も援助をやっていますが、どれも上滑りのことばかりで
あまり役に立っていないことも少なくありません。
相手の視線に立って、相手の悩みに気がついてあげることが必要なんです。
ソマリア沖じゃ、一時は年間300件、海賊による被害があったそうですが、
うちが行くようになって、この3年間の海賊の被害はゼロだと聞いています。
よくやってくれたと、ジブチ政府から勲章までいただきました。
――そこまでして、事業として採算はとれるんですか。
木村:
んー。まあ、正直言って今のところまだ採算はとれていませんね。
しかし、将来的にはきちんと利益が出る目論見はたっていますよ。
それに商売というのは、目の前の利益、儲けのことを第一に考えていたんでは
うまくいかないものなんです。
まず考えなくてはならないのは、どうやったら喜んでもらえるか、何を求められ
ているかということ。
それに応える算段をするのが「商売」なのではないですか。
◆世界に唯一で最高の市場を私たちがつくる
――儲けと言えば、築地市場の豊洲移転に関連して、大和ハウス工業と共同して
大型商業施設の進出を計画されたものの、最終的に断念されました。
会見で「私利私欲でやったことではない・・・」と涙を流されました。
木村:
「築地市場」という文化を守りたかったんですよ。
考えてみてください。
世界中どれだけ探したって、生で食べられる魚をこれだけ扱っている市場は、
築地だけですよ。
そのことを私たちはもっと誇りに思うべきでしょう。
ご存じのように築地市場というのは、卸売市場である「場内」と、一般客向けの
「場外」とで成り立っています。
2016年の11月に「場内」は豊洲に移転し、「場外」は基本的には築地に残ること
が決まっています。
それはそれでいいけれど、やっぱり「場内」と「場外」がセットになった良さも
あったほうがいいと、私は思うんです。
豊洲移転を成功させ、東京、ひいては日本の魅力を国内外に発信していくため
には、豊洲に新たな「場外」を作ることが必要なんです。
ならば、かつて寂れかけていた築地場外に「すしざんまい」を初めて開店させた
ときと同じ気持ちで、私が豊洲に「場外」を作ろう、そう考えていたのです。
いろいろな問題があり結局実現させられませんでしたが、これからも
「日本の食文化と市場は私たちが守る!」という気持ちに、今も変わりはありま
せん。
(転載終了)
今後、貨幣経済が衰退していくにつれて、誰もがそれぞれの仕事に対する姿勢、ひいて
は「生き方」そのものと、否応なく向かい合うことになる。
「お金のため」が第一で働いてきた人は、これまでの人生はなんだったのかと、なんの
ために生きてきたんだろうかと、大きく後悔することになる。
お金は大事かもしれないが、まずは自分自身がどのように社会に、周囲に貢献できる
だろうか?というところから始まっているひとであれば、経済という概念そのものが
消滅したとしても、いままでどおり働き続けることが出来る。
それはまさに、「金の奴隷」として生きてきたか、それとも自らの誇りとともに生きて
きたか、の違い。
繰り返すが、確かにいまは一見、誰もが同じように働いていると見えるかもしれない。
しかし「その時」が来れば、誰もが否応なく、自分自身と向き合わなければならなくなる。
とくに大きな集団(企業)に居るほど、社会への貢献度は分かりにくくなっている。
だからいま一度改めて、自分の仕事はこんなに社会に貢献している!ということを意識
したほうがいい。
それに気付けたとき、それは「誇り」となり、人生観や生き方さえ変わるだろう。
「仕事」というものは紛れもなく「誰かの役に立つための行為」なのだから。
しかし、
もしどう考えても思い至らないとしたら、早々に人生のかじ取りを真剣に考える必要が
ある。
いまのうちに舵を切れたら、「その時」になって後悔することも少ないだろう。
’01年に第1号店を東京・築地場外市場に「すしざんまい本店」をオープン。
現在では北海道から九州まで、51店舗を展開。
その多くが年中無休24時間営業で、本格的な寿司を手ごろな価格で楽しむ
ことができるという、それまでの寿司屋の常識を覆したのが、株式会社喜代村
の木村清社長だ。
◆「すしざんまい」が年間300件の海賊被害をゼロに
――「『すしざんまい』の社長が、アフリカのソマリアで、元海賊とマグロ漁を
やっている・・・と話題になったことがありましたね。
木村:
今でもやってますよ。
ソマリアの沖というのは、キハダマグロのいい漁場なんです。
ところが海賊が出るようになり、危なくてマグロを獲りに行けなくなって
しまったんです。
しかし、聞いてみると誰も海賊とは話していないという。
おかしいじゃないですか。
海賊といったって相手は人間なんですから。
それでさっそく、伝手を頼ってソマリアの海賊たちに会いに行きました。
そこでわかったことは、彼らだってなにも好き好んで海賊をやっているわけ
じゃないということです。
だったらこの海で、マグロを獲ればいいじゃないか。
自分で稼いだ金で家族を養うという、誇りを持った人生にしなくちゃいかん――
と、彼らと話し合ったんです。
――ソマリアの人たちは、内戦で国を失い、無法地帯となった彼らの海が荒らされ
たため、海賊になったと主張しているそうですが、自力では対抗できなかった
のでしょうか?
木村:
口で言うのは簡単ですが・・・、まず彼らは、マグロ漁の技術をもっていないし、
船もありません。
マグロを獲っても、それを入れておく冷凍倉庫が使えなくなっている。
獲ったマグロは売らなければなりませんが、そのルートをもっていない。
IOTC(インド洋まぐろ類委員会)に加盟していないから、輸出ができなかった
んです。
じゃあ、仕方がない。うちの船を4隻もっていった。
漁の技術も教えましょう。冷凍倉庫も使えるようにする。
ソマリア政府にはたらきかけて、IOTCにも加盟する。
獲ったマグロをうちが買えば、販売ルートも確保できる。
こうやって一緒になってマグロ漁で生活ができるようにしていったんです。
――「民間外交」の枠を超えた貢献ですね。なぜそこまで?
木村:
いろんな国や国際機関も援助をやっていますが、どれも上滑りのことばかりで
あまり役に立っていないことも少なくありません。
相手の視線に立って、相手の悩みに気がついてあげることが必要なんです。
ソマリア沖じゃ、一時は年間300件、海賊による被害があったそうですが、
うちが行くようになって、この3年間の海賊の被害はゼロだと聞いています。
よくやってくれたと、ジブチ政府から勲章までいただきました。
――そこまでして、事業として採算はとれるんですか。
木村:
んー。まあ、正直言って今のところまだ採算はとれていませんね。
しかし、将来的にはきちんと利益が出る目論見はたっていますよ。
それに商売というのは、目の前の利益、儲けのことを第一に考えていたんでは
うまくいかないものなんです。
まず考えなくてはならないのは、どうやったら喜んでもらえるか、何を求められ
ているかということ。
それに応える算段をするのが「商売」なのではないですか。
◆世界に唯一で最高の市場を私たちがつくる
――儲けと言えば、築地市場の豊洲移転に関連して、大和ハウス工業と共同して
大型商業施設の進出を計画されたものの、最終的に断念されました。
会見で「私利私欲でやったことではない・・・」と涙を流されました。
木村:
「築地市場」という文化を守りたかったんですよ。
考えてみてください。
世界中どれだけ探したって、生で食べられる魚をこれだけ扱っている市場は、
築地だけですよ。
そのことを私たちはもっと誇りに思うべきでしょう。
ご存じのように築地市場というのは、卸売市場である「場内」と、一般客向けの
「場外」とで成り立っています。
2016年の11月に「場内」は豊洲に移転し、「場外」は基本的には築地に残ること
が決まっています。
それはそれでいいけれど、やっぱり「場内」と「場外」がセットになった良さも
あったほうがいいと、私は思うんです。
豊洲移転を成功させ、東京、ひいては日本の魅力を国内外に発信していくため
には、豊洲に新たな「場外」を作ることが必要なんです。
ならば、かつて寂れかけていた築地場外に「すしざんまい」を初めて開店させた
ときと同じ気持ちで、私が豊洲に「場外」を作ろう、そう考えていたのです。
いろいろな問題があり結局実現させられませんでしたが、これからも
「日本の食文化と市場は私たちが守る!」という気持ちに、今も変わりはありま
せん。
(転載終了)
今後、貨幣経済が衰退していくにつれて、誰もがそれぞれの仕事に対する姿勢、ひいて
は「生き方」そのものと、否応なく向かい合うことになる。
「お金のため」が第一で働いてきた人は、これまでの人生はなんだったのかと、なんの
ために生きてきたんだろうかと、大きく後悔することになる。
お金は大事かもしれないが、まずは自分自身がどのように社会に、周囲に貢献できる
だろうか?というところから始まっているひとであれば、経済という概念そのものが
消滅したとしても、いままでどおり働き続けることが出来る。
それはまさに、「金の奴隷」として生きてきたか、それとも自らの誇りとともに生きて
きたか、の違い。
繰り返すが、確かにいまは一見、誰もが同じように働いていると見えるかもしれない。
しかし「その時」が来れば、誰もが否応なく、自分自身と向き合わなければならなくなる。
とくに大きな集団(企業)に居るほど、社会への貢献度は分かりにくくなっている。
だからいま一度改めて、自分の仕事はこんなに社会に貢献している!ということを意識
したほうがいい。
それに気付けたとき、それは「誇り」となり、人生観や生き方さえ変わるだろう。
「仕事」というものは紛れもなく「誰かの役に立つための行為」なのだから。
しかし、
もしどう考えても思い至らないとしたら、早々に人生のかじ取りを真剣に考える必要が
ある。
いまのうちに舵を切れたら、「その時」になって後悔することも少ないだろう。