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小田原のウメ子 七回忌

2015-09-11 | ゾウさん
小田原城址公園に60年もの長きに渡り暮らしていた、アジアゾウのウメ子が亡くなって、早いもので今年は七回忌。
戦後すぐの昭和25年、子供達に夢と希望をという催し、子供博覧会にタイ王国から推定3歳で来日した。
戦後の日本と共に生き、移り変わりを見続けた彼女は、長く人々に愛され、当時国内最高齢で天寿を全うした。

戦後70年の記念行事が各地で開催される中、先の大戦があったために、来日することとなった彼女の七回忌。

おそらく当初の予想を遥かに越えて長生きした彼女。
時代と共に変化する日本人の生活、価値観、習慣。大歓迎の来日から、次第に様々な議論の的にも……。
言葉でこそ語らないが、そこに生き続けることで、人間を映す鏡となり、我々に何かを問いかけ、考えさせ、学ばせてくれた一生ではなかったか。

亡くなった年のお別れの会には参加できなかったので、NPO主催の偲ぶ会に慌てて参加した三回忌。

そして今年、小田原市でも何か催しがあれば参加したいとメールで問い合わせたが、ウメ子に関する市の行事はお別れの会で打ち止めだったらしい。

市の意向なら致し方なし……。

とても残念な内容ながら、ご丁寧にお電話を下さったのは、最期までの20年間世話をされた飼育員の方だった。
しばし、ウメ子談義に花が咲き、思いがけない出来事に感動した良い1日となった。


ウメ子の命日 9/17にあわせて、 9/16(水)~9/21(月祝)に、その小田原城のお堀端で彼女を描いた展覧会がある。





横浜市在住の日本画家、勝山治実 氏

写真では描けないと足しげく通い、ウメ子を描いてこられた。
モチーフ ウメ子の洋画風の描写もさることながら、多くの作品に見られる、余白部分にその場の雰囲気、空気感が漂い、作家と共に今ウメ子を見ているようにすら感じられる、そんなところに惹かれたように思う。

今回は大型のものはないようだけれど、静かな気持ちで、彼女の七回忌に小田原を訪れたい。




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