最近、ある冊子に、いとうみくさんの新刊『キオクがない!』(文研出版)の書評を書いた。
その書評に、丁寧な感想を下さった方がいた。
「自覚されない悪」という概念に言及したことに、注目していただけたこと、嬉しいです。
そして、『キオクがない!』に、興味を持って頂けたことが、書評を書く者にとって、なによりも、これが最高に嬉しくありがたいです。
「標準からの逸脱」。
文体論などで有名なピエール・ギローの言葉である。
いとうみくの作品にも感じる「標準からの逸脱」。
彼女の描く世界には、「常套」がない。
そこが、興味深くて、たまらない。