ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◆ 親の形見の本

                  

 およそ35、6年前に、父から譲り受け、やがて形見となった全集である。
 だれかしら、読んだ形跡はない。
 なぜ、父が、この全集を購入したかも、まったく計り知れない。

 
 私がこの全集を父に譲って欲しい旨、言ったのは、まったく単純な理由で、『李商隠』の高橋和巳が在り、小川環樹の名が在ったからである。


 『王安石』の清水茂氏の名もあった。
 彼は、高橋和巳、亡き後、その職に就いた人である。
 彼になんの謂われもないにもかかわらず、むしろ吉川幸次郎亡き後、京大の中文を一身に背負った人でもあるらしいのだが、わたしは、ついぞ、彼の書を開かなんだ。

 苦笑。


 今、転居を機に、断捨離、断行中だが、これは、やはり捨てられぬ。

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