ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◆ 『チェルノブィリの祈り 未来への物語』 スヴェトラーナ・アレクサンドロヴナ・アレクシエーヴィッチ 作 岩波書店

            


 原発の問題。
 放置、されたままだと言っていいような気がする。

 飯舘村で、原発爆発以前は酪農家だった農家の人が、畑が荒れないようにと蕎麦を栽培をしていると言っていた。

 26ベクレルの放射能が検出するという。
 政府の基準値は、100ベクレル。

 北海道の蕎麦はゼロ。
 彼は、では、どっちを買いますか?と問う。

 当然、北海道の蕎麦を買うでしょう。
 これが、風評被害ではない、実害なんだ、と彼は言った。

 その通りなのだ。
 風評ではなく、2011年3月に起きた、あの原発事故の、まさに実害なのだ。

 私は、風評被害という言葉を聞く度に、腹が立つ。
 ごまかしなのだ。

 スヴェトラーナ・アレクサンドロヴナ・アレクシエーヴィッチは、政治と経済の数字にごまかされてはいけないと言っている。
 そして社会主義であっても、資本主義であっても、国家というものは都合の悪いことは隠す、と言っている。

 その通りなのだ。


 
 まだ、今も、なんにも片付いてはいない。

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