ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◆ 『ヨーロッパ鉄道の旅』 ダイヤモンド社

                      

 つねにそこら辺、目の届くところにある本である。

 子どもの頃から地図帳が大好きで、確か小学校五年生ぐらいの時には、日本の山脈や平野の名前、県庁所在地名や、鉄道本線は全て覚えていたように思う。


 余談。
 あの頃の、小学生の地図帳のマークに桑畑というのがあったけれど、今の小学生の地図帳にもあるのかなぁ?



 大学生になったころは、国内的には、カニ族と言われて大きなリュックを背負って旅をするのが流行、国際的にはヒッピー時代で、アメリカやインドやネパールへ旅をするのが、大流行だった。
 沢木耕太郎の『深夜特急』なんかは、その流れだろう。
 そうそう、『カトマンズの恋人たち』なんて、ハリウッド映画もあった。

 御多分にもれず、当時、私も、A4サイズの分厚い時刻表を持って、日本各地の旅をし、カルフォルニアやメキシコなんぞへも行ってみた。


 それにしても、三つ子の魂である。

 この年になっても、時刻表やら、地図帳やらが大好きで、暇さえあれば眺めている。

 ここ数年は、この『ヨーロッパ鉄道の旅』は、それこそ座右にたえず置いてあるので、始終開いては眺めている。

 夢は枯れ野ではなく、このページ、ページに彷徨うのである。


 しかし、読み込んでいくうちに、なんと情報の真髄にふれていないことかと、がっかりもしている。


 一人で、ヨーロッパを旅をするとき、絶対に欲しい情報、

 たとえばフランスの駅では、電光板に電車の出発時刻10分前あたりまで、番線の表示はでないとか。


 コインロッカーや、一時荷物預かりがない駅名だとか。


 ガイドブックに載っている○○駅は、無人駅だとか。(だからトイレはないとか)←無人駅に降り立つなんて酔狂な観光客は、私ぐらいかぁ。(‥;)

 
 他に、ドイツの駅舎正面には、都市名の表記は殆どなく、<Bahnhof> つまり、<駅> という文字のみが、記されているとか。

 30年前、ドイツ語をまったく分からなかった私は、ブレーメンに着いたはずが、<Bahnhof> という町に着いたと、大慌てしたものだった。


 更に、他には、
 ベルギーのゲント(Gent)は、現地の発音ではヘントで、しかも駅名は Gent-Sint-Pieters Station となんとも、こんなに長い。

 ついでに言うと、
 ブリュッセル BRUXLLES は、オランダ語では、ブルソー BRUSSEL である。
 オランダ側から電車に乗ると、車掌さんは間違いなくブルソー BRUSSELと言う。
 ブリュッセルとブルソーが、同じ土地を指すと瞬時に理解する人って、日本人にとって大多数派?


 因みに、小説『死都ブリュージュ』(ローテンバッハ)のブリュージュは、現地の発音ではブルッヘです。

 ネロとパトラッシュで有名なアントワープは、同じく現地の発音では、アントウエルペンです。

 挙げていくと、切りがありません。
 


 まずは、とりあえず、『地球の歩きかた』や、その他の観光ガイドブックは、現地での発音、現地で通用している駅名表記にしてもらいたいものだ!


 こういう、誰しもが知っているかも知れない自明で当たり前なことかも知れないけれど!
 きちんと記すことこそ、実は非常に役に立つのだ。

 そうすれば、もっと、もっと、個人で自由に旅行をする人が増えるに違いない。




 エトセトラ、不平不満は、いっぱいあるが、でも、この本を開いていると、夢はやっぱりこの1ページ1ページに彷徨し、たまらなく、旅にでたくなるのだった。

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