ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◆『ショコラ』 ジョアン・ハリス  那波かおり訳  角川書店 

                  


 映画『ショコラ』の原作小説である。
 2002年の出版。
 映画は2000年上映

 ジョアン・ハリスが、この小説の舞台のモデルとしたところは、バイヨンヌの近くの町ジェール。
 ジョアンは、英語を話せないブルトン人家系と、フランス語を話せないヨークシャーの家系の間に生まれ、ジョアン・ハリスは当初フランス語で育てられたという。
 ブルトン人というのはフランス、ブルタージュに住むケルト系民族のこと。
 子どもの時から、ペローや北欧神話の影響を強く受けたという。


 フランスのジョアン・ハリスの作品にはテーマに通底するのは、アイデンティティの問題、母子の関係性、食に対する思い、日々の出来事の中にある不思議なフェンタジィ、コミュニティにいるアウトサイダー、信仰と迷信、日々の暮らしの中の小さな喜びなどである。

 ハリスは、性差別に対抗すると常々述べており、作中で女性蔑視者に対して批判的な態度を明確にしている。

 このような、ジョアン・ハリスの生い立ちや、作品へ向かう姿勢、世界観などを知ると、『ショコラ』という作品の、深さをより感じられる。


 原作  
 1999年出版。
 この『ショコラ』はジョアン・ハリスの作品中、最もヒットした。






 
 

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