「山菜取りが上手なのは私ではなく桂木清さんですよ」
「あの 森の精 とも噂されているあの人ですか!」
華子は桂木への期待に胸をふくらませた。
「私が山中を歩いていて迷ってしまったときに
あの人と会ったのです、初めてあったときは
ハッとして本当に森の精が出てきたのではないかと思いましたよ」
「一度お会いしてみたいですね」華子はワクワクして言った。
「あの人の涼やかで清廉な美しさは何物にもたとえようがないですね、
桂木さんと話していると自分まできれいに洗われる思いがします」
ピピ ピピと英雄の携帯が鳴った。
電話を聞いている英雄の表情がだんだんと変わっていった。
つづく