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年金=「人様のお金」→第4章 厚生年金基金経営上の諸問題(3)代行の金縛り②

2008年10月26日 | 厚生年金基金


『人様のお金』
Other People‘s Money
厚生年金基金って、何んだ?

平成12年8月脱稿
高野 義博

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第4章 厚生年金基金経営上の諸問題

(3)代行の金縛り

②代行の由来
基金制度が考えられた背景には、昭和30年代後半の物価上昇や人手不足等により賃金が上昇し、併せて退職金も年々上昇、企業は財政上その支払いに振り回され、経営が不安定になっていたという事情がありました。そこへ厚生年金と退職金の費用負担の調整が経営サイドから浮上し、税の優遇を受けた資金手当の平準化が可能な企業年金制度が創設されたのです。初めに税制適格年金が厚生年金基金制度の発足までのつなぎ措置で昭和37年にスタート、昭和41年には厚生年金基金制度が厚生年金の一部代行という世界に類をみない方式でスタートしたのです。これは、言ってみれば一方的に経営サイドの要望によって創設された制度なのです。自らの意思で基金設立を認可申請した企業は、本体代行・確定給付・事前積立て財政・5.5%の予定利率・独立法人方式等々で契約し、事務負担・債務負担を承知の上で給付を約束したのです。

制度がスタートしてからは、大蔵省の産業資本調達の統制計画経済をバックグランドに厚生省の裁量行政が始まり、大蔵省に通じていた信託・生保の各種の既得権益確保も制御出来ずに、信託・生保の恫喝営業(例えば、持株比率によるシェア分配強要、持株を餌に解約拒絶、信託・生保の一営業員がアポも取らずに社長面談要求、事務局に対して上の方で決定しているのですからと理事長印を求めたり・・・・・・)も見ぬ振りを通したり、俗に言います箸の上げおろしにまで法的根拠の無い厚生官僚の裁量により介入したり、経験者でなかったらばわからない数々の実態(たとえば、業務委託指定法人のカンバンだけ営業、実際には事業を行う人的・物的設備のないままカンバンだけだしているのを承知もせず、申請がありますから指定法人にしているだけという厚生官僚とか、総幹事制度での掛金拠出・年金給付業務のとりまとめに対する報酬はお幾ら? に答えられる官僚も信託・生保も常務理事もいないというのが実態であり、答えはせいぜい別体系と言い逃れるだけとか)があります。

結局、日本の厚生年金基金制度というのは、厚生年金と退職金との調整手法の代行という妥協の産物に、官僚が民間の要望を信託・生保に利便を提供するという形で成立した政府の政策マターで始まり、政治家の集票のために再々の年金引上げにより社会保険マターとなり、ここにきて内部に仕掛けられていた本来の金融マターとしての<代行>というのが明らかになってきたということでしょう。


公共的な便益のための手段が整備されればされるほど、それらを民間の手で実現
しょうとするインセンティブは少なくなることを知らなくてはなりません。・・・・・・。
自立心は他へ依存する度合いが高まるにつれ徐々に弱められていくのは確かである。

C.P.キンドルバーガー『金融恐慌は再来するか』


そういう由来をもつ基金制度であるのですが、最近の財政逼迫に際して、30年前の契約の無効を政府にすがって免除してもらいましょうとする者、又は契約破棄を望む者がやたらに多いということは、或る意味では、日本の法治国家としてのレベルの低さを表すとともに、
法を捩じ曲げても自分の主張を通しましょうとするのは、先般の大蔵省・銀行・証券会社等を巡る一連の不始末で明らかになった日本の経済・社会構造と同一の他者依存体質を未だに残存させているということではないでしょうか。

これは、別に言えば、戦後から50年に及ぶ統制経済の裁量行政の強権下で、聞く耳を持たなかったかたくなな行政サイドの対処の仕方に対して国民がすっかり対抗的に官依存体質を固めてしまい、官が問題解決をするのが当然の義務とする風潮を生み出しているのかもしれません。そうであるとするなら、そのような官を育ててきたということで国民はまたまたここでも高額納税を強いられることになりましょう。堂々巡りの非効率の極みです。こう言うのを<国民的ロス>というのでしょう。








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●ここまで、お読みいただきまして、誠にありがとうございました。

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惚けた遊び! No.268


ここでは日常の生活空間も随所でその存在論的な意味を変換することが起こる。われわれの構えから見れば、ごく他愛もない出来事をきっかけに生活空間の一転に潜伏する生命の流れが噴出すると、そこは聖なるものの顕現する場所として存在論的な変換を遂げ、この聖所を中心として生活空間全体が宇宙論的な秩序を現す新たな世界として人々の視のうちに出現する。そしてそれとともに人間の内なる生命もまた新しい秩序のうちに新たな生を開始する。   (大室幹雄))



【出所】高野 義博著『情緒の力業』第7章 瞑想的感応
chikara
情緒の力業:ご案内 


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