検定:年金入門
平成二十五年二月
年金カウンセラー 高野 義博
年金は、どなたも、学習する機会もないまま受け始めるのが一般です。
これほどのインフラについて、これほどの国民全員がかかわる制度について、……これって少し変ですよね。
そこで、この「検定:年金入門」では、年金のイロハを、年金を知るきっかけをご提供いたします。
年金の基本出題を一〇問選びましたので、お楽しみいただき、六問以上正解をいただければ、この検定は合格ということにさせていただきます。
なお、全問正解でしたら、年金カウンセラーを名乗ってご活躍ください。
皆様がこれを機会に年金を訪ねる旅に出かけられるようになれば、筆者望外の喜びです。
「検定:年金入門」の合格者が巷に溢れる、などと言うのはすばらしいことではないでしょうか。
ほんの些細なことですが……
序・出 題
後段に評価がありますので、各問の答えのメモをとっておき(ここが肝要)、ご自分で採点し、評価してください。
第1問
Q 若いときは老後の年金など考えないし、当てにしないのが普通ですが、老後の生活費はどうされますか?
1.子供の世話になる
2.それまでに資産を貯めこむ
3.国の年金に加入する
第2問
Q 日本人は、みんな年金に加入するのかしら?
1.日本国民は国民年金に加入しなければならない
2.二〇歳以上六〇歳未満の日本国民は、いずれかの公的年金に加入しなければならない
3.年金なんか当てにできない
第3問
Q 厚生年金は、いつから始まりましたでしょうか?
1.昭和十七年
2.昭和四十一年
3.昭和三十六年
第4問
Q 会社勤めしたら、加入することになっている公的年金は、何?
1.共済年金
2.厚生年金
3.確定拠出年金
第5問
Q 四〇年加入(二〇歳から六〇歳)の厚生年金は、いま、幾らくらい支払われているでしょうか?
1.月六万円位
2.月二〇万円位
3.月三十五万円位
第6問
Q 厚生年金基金の有る会社に「三年」ほど勤めた場合、その基金分の年金は将来どこから受けることになるのでしょうか?
1.企業年金連合会
2.当該会社の基金
3.社会保険庁
第7問
Q 年金は「いただく」ものですか?
1.Yes!
2.もらうものでしょう
3.請求するものです
第8問
Q 最近の「年金記録漏れ問題」の真因は何だと考えますか?
1.役人仕事
2.コンピューター不備
3.個人情報の非開示
第9問
Q 世界の年金はどうなっているのでしょうか?
1.世界の大半は三世代生活があるので、年金制度を持っていない
2.近代国家では、年金制度が不可欠で公的年金と企業年金の組み合わせが一般
3.多くの国で、役人が絡まない個人勘定年金が採用されている
第10問
Q 年金をどのように考えたらよいのでしょう?
1.家族→制度→個人の時代背景の推移と共に柔軟な発想が必要
2.年金を不要にするため三世代生活を復活する
3.政府一任
破・正解
第1問
Q 若いときは老後の年金など考えないし、当てにしないのが普通ですが、老後の生活費はどうされますか?
正解 3.国の年金に加入する
頼りにしたい子供は子供の生活でイッパイイッパイでしょう、資産は確実にたまるものでしょうか? 最低限のセーフティ・ネットとして国民年金だけは掛けておきたいものです。
日本も百年ほど前、というか太平洋戦争前までは、「年寄り」は〈三世代同居〉の家族の中で老後生活を送っていました。それにその当時は、平均寿命も短く、五〇歳過ぎで亡くなるのが大半でした。ところが、戦後(昭和二〇年八月終戦)、日本社会の一大構造変化が始まり、つまり、第一次産業(農業、林業、水産業など)で働く人の大幅な減少、帰還兵・若者が大挙して第二次産業(製造業、建設業など)の都市に集中、都会地サラリーマンのウサギ小屋での核家族化の進捗等により、物理的に〈三世代同居〉(家族による私的扶養)が不可能になりました。この間、五〇歳過ぎの平均寿命は七〇歳、八〇歳と大幅に伸び、老後生活が長期化するという新たな現実も発生していました。
このような日本社会の構造変化により、老後生活を支える家族による私的扶養に変わり、社会的扶養としての年金制度が必要になってきました。すなわち、「家族」から「制度」にステ―ジが移ったのです。ところがどっこい、戦後半世紀ほど「制度」により老後生活は支えられてきましたが、最近、年金制度を運営する官僚の不手際で、年金不信が一気に高まってしまいました。「制度」のほころびが始まったということでしょう。
さて、次のステージはいったい何になるのでしょう。
(以下略)
Amazonにアップしましたのでご覧ください。スマホでご覧いただけます。売価3ドルです。
Amazonの年金カウンセラー
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます