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事前公開<自分年金に強くなる法「厚生年金基金の話」>連載38

2010年07月08日 | 厚生年金基金
付 録

1.年金を請求しよう!

●これは宝もの!

図表23 厚生年金基金加入員証




「厚生年金基金」に加入すると、これが発行・交付されます。原則65歳になると、これが年金(終身給付)になります。

 原則、10年以上加入の場合は当該基金から、10年未満であれば企業年金連合会から給付されます。

代行返上や基金解散で取扱いが区々になっていますので、一度企業年金連合会に問合せてみるとよろしいでしょう。

企業年金連合会
住所:〒105-0011 東京都港区芝公園2丁目4番1号芝パークビルB館10階・11階
電話番号:03―5401―8711(代表)
ホームページ:http://www.pfa.or.jp/
企業年金コールセンタ-:0570-02-2666




●「年金履歴書」作成による請求もれ年金発見の仕方
                               平成19 年6 月19 日
                                  OPM 研究会
                            年金カウンセラー高野 義博


1.「年金記録漏れ」問題の背景

(1)問題の根源はどこに?

最近、新聞やTV報道でにぎやかに報道されています「年金記録漏れ」問題について、ここにきて、政治絡みで社会保険庁のずさんな記録管理が取りざたされています。とはいえ、全面的に社会保険庁のみのせいではないのですが、官僚や企業や個人、コンピュータシステム業者等々の複合汚染(?)で「年金記録漏れ」が発生しています。

どんな事情があろうと社会保険庁の責任は逃れられませんが、最大の原因は、やはり日本人の意識レベルが低迷しているところに起因するのでしょう。筆者はWebサイト等で、平成16年以来「請求もれ年金」としてこれを訴えてきました。


(2)わが国の年金制度~創設から現在まで~

厚生年金は、昭和17年(1942)6月に労働者年金保険としてブルーカラーが適用され、昭和19年(1944)10月から女子と事務職員等も適用され、日本の年金制度がスタートしました。

次いで、昭和36年(1961)4月に国民年金がスタートし、国民皆年金体制が確立しました。
その後、数々の制度改革が実施され、現在に至っています。

制度創設から、厚生年金は60年、国民年金は40年ほど経過しました。この結果、日本の年金は、60年に及ぶ改善のパッチワークが改竄になってしまい、一般の人には理解しがたくなっています。年金を支払う側(社会保険庁)にとっても間違いが起きやすい仕組みになってしまいました。

その結果、長い年月の個々人の年金加入記録管理も散溢しがちで、放り投げられたままのものもあります。現在では、この年金制度の仕組みを読み解くには一段の“情熱”と“集中”が必要になっています。国民に「年金は難しい!」と言わせて、近寄りがたいものになってしまいました。


(3)公的年金は“どんぶり勘定”?

公的年金制度全体に大きな問題があるのは、現行の公的年金が被保険者全体の資産を政府が全体管理し、国民一人ひとりの個別管理になっていないためと総論的に考えられます。すなわち、どんぶり勘定ゆえの弊害です。現実に、「社会保障の夢」はどちらかというと財政に摩り替えられています。

もともと厚生年金は戦費調達で始まった制度ですから、戦後復興の産業資本として流用される土壌があったのかもしれません。このような社会保険方式の年金であれば、裁量が働く余地があるため、本来、「人様のお金」である国民の年金を官僚が他の目的に流用したり、政治家が産業資本として流用し使途不明金になったりしても不思議はありません。

実態としては、社会保障のためのお金が財政目的に使われてしまっているのです。ここから、給付抑制の大義名分として国が責任を言い逃れるために「高齢化と少子化」を叫ぶのです。これも、ひとえに裁量が働かない個々人の年金勘定がないためとだけは言えるでしょう。


(4)企業年金における“実験”

こうした中、平成13年(2001年)10月、ひとつの実験が企業年金で始まりました。これまでの厚生年金基金等は資産運用の低迷とか国際会計基準の採用等で財政維持が困難になり、基金解散とか代行返上が続出しています。ここで新しく登場したスキームは「確定拠出年金」(言うなれば、年金通帳)と言い、加入者自身が資産運用の責任を負う個人勘定です。

これから年金を受ける人は、公的年金のほかにご自分の個人勘定の確定拠出年金も受けることになりますが、この年金はご自分が資産運用で失敗しない限り、『請求もれ年金』となることはないでしょう。政府や企業の裁量も働かないでしょう。いろいろ紆余曲折はあるでしょうが、曲がりなりにも「人様のお金」は保全される道筋が示されました。


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