2005.10.11.
★年金カウンセリング → 528ヶ月(44年)の長期特例
Q 現在57歳だが、60歳まで勤めると厚生年金加入が529ヶ月になります。その時点で、年金はどうなるのでしょう。
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A 528ヶ月(44年)の長期特例が退職していれば適用されます。
つまり、昭和22年4月2日~24年4月1日生まれの人は、本来、厚生年金の報酬比例分が60歳から、64歳になって定額分と加給年金分が支給されますが、長期特例は64歳からの分が60歳から受けられます。
この長期特例の大前提は、その受給時点で退職(社会保険適用なし)していることが必要です。
社会保険適用なしのパートやアルバイト等であれば、長期特例が適用されます。
これは、長い間、就労した人の特典です。
2005.10.13.
★年金カウンセリング → 59歳の男
Q 59歳の男ですが、厚生年金は、昭和21年生まれだと、63歳で受けたほうが有利なのでしょう?
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A 厚生年金には、60歳受給のものを63歳で受けたら増額されるということは無くて、60歳から報酬比例分が出始め、63歳になると定額分と加給年金分が上乗せになります。
63歳に請求すると、60歳から受けられる分(過去分)の精算があります。原則増額も減額もありません。有利ではないということです。
一般的に、上記Qのような質問をされる方は、国民年金の繰り上げ・繰り下げ受給の仕組みと混同されているようです。
何はともあれ、厚生年金加入者は60歳になったら、年金請求書を社会保険事務所に提出することが肝要です。
請求書を提出し、年金証書の交付を受けている人には、60歳以降年金受給上の変更が発生した都度、自動的に社会保険庁から変更通知書が郵送されてきます。
60歳のとき一度だけ、社会保険事務所に出向いて、ご自分の年金を請求しましょう。
2005.10.16.
★年金カウンセリング → 21年しかない!
Q 3月10日生まれの58歳男性だが、60歳定年までこのまま会社に勤めても厚生年金14年と国民年金7年で21年しかない。25年に届かないが・・・・・・・年金どうしたらいい!
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A まず、60歳後、直ちに国民年金に任意加入して不足の4年分を納付すれば受給権取得できて、63歳から厚生年金が、65歳から国民年金が上乗せとなります。
でも、ちょっと待った! 婚姻後の妻の厚生年金加入期間無いですか? ことによると、あなたが年金加入していない時期に奥さんが働いていなかったですか。これを社会保険事務所で確認して、借りられるカラ期間がないでしょうか。
または、20歳以降の大学生の期間は? その他にも、カラ期間がありますので、社会保険事務所で確認することをお勧めします。
さらに、厚生年金の14年というのは本当?
学生中にアルバイトしてなかったですか。新卒の会社は確認されていますか。転職の経験は。厚生年金基金の加入員証は持っていませんか。
姓名を間違って読まれることは。生年月日が違っていたことは。養子になったことは。
こういうことがある人は、社会保険事務所で年金加入期間の確認が不可欠です。
足りないと騒ぐ前に、まず社会保険事務所等で確認が先です。
あるだけの年金関係書類を持参して依頼すれば、確認できます。
こういう確認をした結果、60歳時点で、25年をクリアーしていれば、厚生年金の報酬比例が60歳から、定額分が63歳から、65歳から国民年金が上乗せとなります。
これとは別に、最近、社会保険庁は、58歳誕生月に年金加入記録を郵送してくるようになりました。この記録は、よく見て、落ちている記録が無いかどうか、確認が非常に重要です。
2005.10.19.
★年金カウンセリング → 60歳後勤務の年金が減った!
Q 64歳で会社を辞めたのだが、年金が減ってしまった。どうして?
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A 減額になる理由は幾つか考えられますが、一般的な事例として多いのは、最終の会社に厚生年金基金があった場合です。
この場合、報酬比例分は代行で基金から支払われる仕組みになっていますので、増額分は基金から支払われます。
つまり、減額になった厚生年金と基金の新しい年金額を合算したト-タルの年金額では増額になります。
基金の有る場合、厚生年金だけで考えるのではなく、基金も視野に入れて計算しないと全体が見えません。
この理由は、厚生年金の平均給与を求める計算で再評価率が直近の数値ではマイナスになっていて勤務期間が延びると、平均給与が低下します。よって、厚生年金の年金額が多少少なくなります。
それに、平成15年を境に、厚生年金の給付乗率が低下しています。よって、平成15年以降の勤務期間が増えると厚生年金は少なくなります。
さらに、年金加入月数が444ヶ月越えている場合、定額分の増額はありませんので、年金が増えないということも生じます。
要するに、最終事業所に基金がある場合、報酬比例分は厚生年金で支払われるのではなく、基金で支払われますから、基金で増額が反映します。
2005.10.23.
★年金カウンセリング → 基金の年金
Q 60歳の女性ですが厚生年金加入(2年)をすべて脱退一時金で受け取っていますが、
2年間のうち1年は基金加入になっていて、基金も解散していません。
この場合、基金の方から何か支給を受けられる可能性はあるのでしょうか?
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A ご質問には、基金加入の1年は何歳のときであったかという点が不明です。なぜかと申しますと、厚生年金基金を中途で脱退したとき、取り扱いが二つに分かれます。
厚生年金基金を脱退(=会社を辞めたとき)したとき、
(1)基金加入原則10年未満・55歳未満で脱退の場合・・・・・年金原資移管・年金支払者は企業年金連合会
(2)基金加入原則10年以上・55歳以上で脱退の場合・・・・・年金原資保管・年金支払者は当該基金
また、
(3)基金解散の場合・・・・・年金支払者は企業年金連合会
(4)代行返上の場合・・・・・年金支払者は社会保険庁(厚生年金)
ご質問からすると、(1)に該当するのではないかと推察されます。よって企業年金連合会から支給されるはずですが、厚生年金は脱退手当金を受給済みで、厚生年金の受給権は今後とも発生しないと考えられます。
企業年金連合会の年金支給基準は、現在では厚生年金受給権を持っている者にしか年金を支給しません。よって、支給は無いと考えられます。以前は、1ヶ月の加入期間であっても終身給付をしていたときもありました。
しかし、(2)の事例の場合でしたら、基金ごとに区々です。当該基金にお尋ねになってください。
問題の焦点は、この方の年金原資が企業年金連合会に移管されているか、当該基金に残っているかによって、支給の有無が上記のように分かれます。
さてさて、ここからが摩訶不思議な領域の話になります。
脱退手当金の計算は、加入期間中の平均標準報酬月額に加入期間別給付乗率をかけて求めます。
ということは、代行分も含めた状態で国から支払われるのです。
すなわち、脱退手当金の中に、既に基金分は含まれているのです。
さあ、何がなんだか分からなくなったでしょう。これは、基金設立メリットであるし、でたらめなことが行われているとも言えるでしょうし、制度の欠陥でもありましょう。
付け加えれば、国民皆年金制度になって、昭和16年4月2日以降生まれの人には脱退手当金の仕組みは廃止されています。今後の若い方にはこの仕組みはありません。
以上、年金カウンセラーの実務経験からお話しました。
詳しくは、企業年金連合会のホームページで確認してください。
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