【窓・サッシ(建具)について】
サッシとは鋼製の枠に取り付けられた建具のことを指しますが【建具】と言われてもなかなかピンとくる方は少ないと思われますので、今回はサッシというタイトルにしました。
今回お話しするのは建物の外壁の開口部に取り付けられる出入のためや風を取り入れるため、光を取り入れるために設けられる仕切りとお考えください。
通風や採光以外にも遮音のためや防犯のためなどいろいろなタイプがあります。
今回は単純に窓のお話といった方が話が早いですね。
日本の窓はアルミサッシが多く使われていますがアルミ以外にも木製サッシ、アルミと木材の複合サッシ、樹脂サッシ、樹脂とアルミの複合サッシなどいろいろな種類があります。
アルミは本来熱伝導率(熱の伝わりやすさ)が高いために、海外では木製サッシや複合サッシが多いようです。
しかし日本では木製サッシはまだまだ値段が高いこともあり普及率はあまり高くはありません。
木製、アルミ、樹脂、それらの複合と種類により価格は異なると共に雨仕舞いや開閉の仕方やロックの仕方、気密性能も違ってきます。
次に断熱性能による違いもあります。
断熱性能が高いサッシほど一般的には価格は高くなる傾向にあります。
また防火地域や準防火地域では防火性能のあるサッシを使う必要があります。
防火サッシは2000年に大きく法改正があり種類が絞られたことに加え、価格が非常に高くなりました。
最後に種類について。
図に示すようにいろいろな種類があります。
日本は引き違い窓が多いですね。しかしサッシには縦辷り出し窓や横辷り出し窓、オーニング窓やガラスルーバー窓(ジャロジー窓)などいろいろな種類があります。
窓は外への出入り口になるとともに光を取り入れたり、風を取り入れたり、空間を豊かにしてくれます。
風を効率よく室内に取り込むために縦辷り出し窓をウインドキャッチャーとして利用したり、雨天時に窓を開けていても雨が入りにくい構造の横辷り出し窓を設けたりすることもできます。
奥まった暗い場所には上部や屋根に窓を設けて明りとりとしたり、全面窓にして外部とのつながりをもたせた開放的な空間にしたりすることもできます。
引き違い窓や縦辷り出し窓、横辷り出し窓、オーニング窓、ジャロジー窓など種類により各々メリットとデメリットがあります。
ガラスルーバー窓(通称ジャロジー窓)は少しだけ開けておく窓としてはとても有効です。
しかし気密性という点では少々課題もあり、外部の砂埃などが室内に入り込んでしまうこともあるようです。また防犯上はルーバーを外から引き抜くことにより外部からの侵入の可能性もありそうです。
引き違い窓は比較的低廉な窓ですが、開放性は半分となります。またウインドキャッチャーとして利用する場合は正面からの風は取り込みやすいですが、壁に沿って横から吹く風を室内に取り込む場合には外壁にちょっとした工夫が必要となります。
全面オープンできる窓はとても開放的な空間となりますが、気密性の課題や解放した際の引き残しの課題、開放時の風や網戸の課題などがあります。
素材による雰囲気の違いや価格の違い、断熱性能の違い、防火地域などに必要な防火性能の違い、防犯上の注意点、形、種類のメリット、デメリットと価格の違いなど窓と言いましてもいろいろありますことを紹介しました。
もちろん窓、開口部は壁や天井との関係で空間は大きく変わります。窓としてだけ考えては良い空間にはなりません。
しかし窓はどのような種類があるのか?ご存知ない方も多いと思いますので、基本的なお話をさせていただきました。
ひと・すまい・くらし一級建築士事務所