私自身は実に馬鹿な人間で、長々と同棲生活を送ったあと式も挙げず披露宴も開かず届だけで済ませてしまいました。
子供も作らず家庭生活に計画性も取り入れずダラダラと長い仮夫婦の果てのことでした。
だから私の脳裏に残る結婚式(いやむしろ披露宴)というのは全て他人のものです。
ひとつはサラリーマン時代の同僚の友の結婚式です。
底なしに飲む友と酒のあまり強くない私は、凸凹コンビのように夜な夜な朝方まで飲み歩く生活を続けていました。
私は途中で一旦眠ってしまい目が覚めるころには友の足元が覚束なくなって、私がタクシーに押し込んで送り帰すといったパターンのつきあいでした。
そんな友の結婚式です。
といってどこで行われたのか、あるいはどなたが出席してどんなスピーチをしたのかどんな余興をしたのかなどといったことを覚えているわけではないのです。
ただ友にスピーチを頼まれ、スピーチは苦手だから歌にすると言って、あがり症の私でも声だけ張れば何とか歌えそうな「武田節」を歌った記憶が鮮烈に残っているのです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます