一般乗船用宇宙船の’ポロン13’の’ヴェル機長’は、客室に緊急放送を行い、
乗客に簡易脱着式宇宙服の着用と、座席に座っている様にとの指示を、
安心感を持って伝えました。
向かっている惑星「葉」宇宙観光管理局の管制官室では、重大事態である事を
把握していました。
急激な水素漏れからの、電圧低下により、手動操舵も制御の誤差が大きく、
運行軌道からのズレが生じている事が判明。
それを’ヴェル機長’に伝え、対策を講じていました。
一番の問題は、これから突入する惑星「葉」の大気圏進入角度が、
制御出来ない事でした。此の儘の進入角度で、大気圏に突入すると
’ポロン13’は、大気との摩擦熱で、燃え尽きてしまいます。
’ヴェル機長’も、手を尽くしていましたが、進入角度を変える事を、
出来ずにいました。旧型の宇宙船と言っても、3連惑星間の近距離運行です。
積載燃料は少なく、大気圏突入迄の残り時間も、多くは有りません。
その時、’うらし’の座席脇の荷物入れの中の、亀の姿のお爺さんは、、。
つづく。