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今だからこそ「見よぼくらの一銭五厘の旗」

世田谷区美術館で開催中の「須田国太郎の芸術」展に行きました。とても力強い絵を描く人でした。でも今の私には、ちょっと波長が合わなかった。

そのチケットで同時に開催中の「アートディレクターの仕事・大貫卓也と花森安治」展も見る事が出来ました。

それがなかなか良い展示でした。作風の全く違う2人。大貫さんの手がけた広告はいくつか知っています。特にカップヌードルの「ハングリー?」は鮮明に記憶にあります。
花森さんの仕事は、華々しいわけではなく何気なく見ているようなものが多数ですが、そのデザインと言葉に改めて惹かれました。

花森安治さんは、大橋鎭子さんとともに『暮しの手帖』の創刊者です。編集者でデザイナーなどなど。まさにアートディレクター。撮影不可だったので見せられないけれど、書体、色、デザイン…天才的だと思います。今も古さは感じません。そしてひとつひとつの言葉が素晴らしい。丁寧に「庶民」と同じ位置でその中から何か見つけ出そうという気持ちと行動がともなっているんです。
 

花森安治 特設サイト - 『暮しの手帖』初代編集長

「ぼくは、死ぬ瞬間まで<編集者>でありたい」この言葉どおり、『暮しの手帖』を作り続けた花森安治。企画、取材、原稿書き、校正はもちろん、撮影、表紙画、挿画、誌面デ...

花森安治 特設サイト - 『暮しの手帖』初代編集長

 

 

そして…以下の一節が展示されていました。
読んで、まさに「今」の時代の事でありぼくらに必要な事を、花森さんから突きつけられた 気がしあわててメモを取りました。

「見よぼくらの一銭五厘の旗」はもっとずっと長い文章で、その中から抜粋されているものです。企画側が良い抜粋をされたと思います。
花森さんの言葉はまっすぐです。だから響きます。ぜひ一度読んでみてください。

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見よぼくらの一銭五厘の旗
花森安治
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さてぼくらはもう一度

日本中の倉庫や物置きや

机の引出しの隅から

おしまげられねじれ

錆びついてる〈民主主義〉を

探してこよう

そして錆をおとし

部品を集め

しっかり組み立てよう



民主主義の〈民〉は

庶民の〈民〉だ

なによりぼくらの暮しを

第一にするということだ

ぼくらの暮しと

企業の利益がぶつかったら

企業を倒すということだ

ぼくらの暮しと

政府の考え方がぶつかったら

政府を倒すということだ



今度はどんなことがあっても

ほくらは言う  困ることを

困ると  はっきり言う

下手でも まずい字でもいい

じぶんの言葉

困ります  やめて下さい

と ハガキに書く

7円のハガキに何通でも書く



ぼくらはぼくらの旗を立てる

ぼくらの旗のいろは

赤でも黒でも緑でもない

ぼくらの旗は こじき旗だ

ぼろ布をつないだ暮しの旗だ

ぼくらはその旗を 物干し台や

窓や屋根に立てる

見よ 世界ではじめての

ぼくら庶民の旗だ

ぼくら こんどは後にひかない

*
*
*
今ぼくらはまさに、その時 にいます。
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