JR藤沢駅(神奈川県)の北での打合せの後、駅の南の地域を歩いてみた。
藤沢駅周辺は立派な商業地域で大きなビルが建っているが、少し離れるだけで低層の住宅地が広がる。
海までは少し距離があるので期待もしてなかったのだけど、それでも、古いお宅をみると「湘南ぽい」感じがあって、「やっぱり湘南なんだね」と妙な納得をしながら「そう感じる」何かを探してみようと思った。
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最初に出会ったこのお宅。家も庭も立派で素敵だった。
道路の境界との生垣・・、下半分が石積みでその上に生垣。
昨今の「見ないでくれ」的な塀ではなく、道路との関係が穏やかで街を豊かにしてくれている。
この形が「湘南らしい」形なのかはわからないけれど私はそう思ってしまった。
建物は100歩譲ってどんなものを作ってもいい。けれど道路との(地域との)関係する部分には「植栽」をして欲しい。最近つくづくそう思うのだ。
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写真の左の塀は、石積みの上にブロック塀2段でその上が生垣。ブロック塀は当初からのものだったのかはわからないが、「石積みの上に生垣」というものがここにもある。
この地域は古い宅地なのだろう。道が細い。そしてどこの街にでもあるように、あちこちハウスメーカーのような家に建て替わっている。
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こちらのお宅は、石積みの上に竹垣。視線を遮り侵入を防ぎたいというものなのだろうけれど、これはこれで維持が大変。それ以前に庭の手入れが大変。もう追いついていないような感じも。。
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新しいお宅で石積みの塀を作る事はとても大変な事。こんなレンガっぽいタイル貼りの塀は、これはこれで味わいがある。
決して塀も門扉も背が高くないのは、住人の方のセンスの良さ。
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一瞬 かき氷さんのようなイメージが横切ったが個人のお宅。木造の古い家。木でうっそうとしてしまっているが、なかなか素敵な建物。板塀が古き良き昭和の感じ。
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途中で出会ったこの歯科医院の建物・・・このデザインは「ミッドセンチュリー!」「ケーススタディ・ハウス」のようだ。
建てられた方は、戦後アメリカの文化に精通または影響を受けていた方なのではないかと想像してしまう。
できるなら残して欲しいけれど・・・。
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塀はブロック塀だけど、足元は一応「石」(元々は石積み+生垣だったのかも?)
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車庫・・・車庫なんだろうけど、なんだか「ちゃんと作った」感じがして好ましい
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湘南らしい?かはわからないけれど、こんな洋風のデザインの建物も、表層的ではなく本格的で使い続けられていて年季も増して、なかなか感じがいい。
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石積みの上に生垣、、にもいろいろなパターンがある。建て替えによっても手が加えられてるのもあるのだろう。
でも、どんな形であって「石積みと生垣」という街の共通言語を大切にしつづければ、建物が作り変わったとしても「この街」の記憶は残りよい街と感じられていくと思う。
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おわり