これは、昨年2階を中心にリノベーションした家の玄関です。
「また次回」となっていた、1階の玄関と奥に見える「和室」を今年、リフォームする事になりました。
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「ごちゃごちゃ」して嫌いな玄関
上の写真は、玄関入ってすぐにある、下駄箱と吊戸棚です。間が何か飾るスペースです。
お嬢さんに 「仏壇みたい!(だから飾らないで!)」と極評されています。
それを聞いてからもう、何をどう飾っても、 仏壇 に見えてしまいます(笑
奥様Kさんは・・・・
「とにかく、このごちゃごちゃした玄関がキライ」
と言われます。
Kさんは 「物少なくスッキリした暮らし」が好きで、本当にこの家は、物が少ないです。
ですから、この玄関も、物があふれて「 ごちゃごちゃしてる 」のではありません。
Kさんの感覚・・ なんとなくわかりますか?
玄関の右側に階段があります。
今、どこのお宅でも同じような階段回りの様子だと思いますが・・・・
一見、、整理されてスッキリした設計のように思いますが、ここにもKさんの感じる「ごちゃごちゃ」があります。
次に和室です。
ここもやはり 同じように「ごちゃごちゃ」してます。
この和室にも物は置かれてません。写真にお米が映っていますが、たまたまです^^.
何もなくてすっきりしてるはずなのに、「ごちゃごちゃ」
わかりますか?
「ごちゃごちゃ」とは
Kさんの言う 「ごちゃごちゃ」 をわかりやすく表現するなら
気持ちが落ち着かない
気持ちがす~っとしない
という感じです。
そう感じる理由は・・・・
ただ単に、既製品が張りついてるだけだから。
”品番”だらけの部屋
もう一度玄関の写真に戻ります。
この家は、あるハウスメーカーで作った家です。
家の全ての材料やパーツに 品番 がついています。
もしかするとそう遠くない将来、スマホのアプリを使いカメラで部屋を見ると、こんなふうに品番がわかるようになるのかもしれませんね。
今作られる、、これまでも作られてきた、、家の多くは
何かを決める事 = 品番を選ぶ事
です。
「では、この中から選んでください」
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和室の入口どうしますか?
ドアでいいですか?
「和室だから引き戸がいいな~」
では、この中から選んでください。
ただ、和室の天井が低いので、背の高いタイプは使えませんので、こちらの低いタイプになります。
・
下駄箱はどれくらいの大きさがいいですか?
「小さくていいので、その上に物を飾りたいんです。」
ではこの中から選んでください。
・
下駄箱の上には吊戸棚があったほうがいいですよね?
「う~~~ん、どうかな。。あったほうがいいですか?」
何か収納できるから、あったほうがいいかもしれませんね。
「なるほど。そうしましょう。」
ではこの中から選んでください。
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こんな会話が、Kさんとハウスメーカーの間であったかどうかわかりませんが、家のすべてにおいて
「 ではこの中から選んでください。 」
と言われるわけです。
建て主としては、もうそれだけでいっぱいいっぱいですよね。
目的を実現するための”統一する”意志
ただ、残念ながら、物を選んだだけで、たとえば
「この玄関をこんなふうにしたい」という意図(=目的)、そしてそれを実現するための「”統一する”意志」
は感じません。
いや、Kさんの家の玄関の場合、「ちょっと物を飾りたかった」という気持ちは理解できます。
しかし、この写真には映ってませんが、右側の壁に「ニッチ」が作られていて、そこに物が飾られ”かわいらしい世界”が作られています。となれば、この下駄箱の上に飾る場所が必要だったのか?という問題になります。
大きな収納が必要かどうかは別にして、全部収納にして背の高い扉にしたほうが、よほどスッキリしていました。
既製品で家を考える事の大きな問題
それからもうひとつ・・既製品で家を考えて行く時の大きな問題があります。
既製品 とは 規格品 の事ですが・・・・
その【規格品】がうまく納まるように家を考えるようになるのです。
住む人の「意図」や「感情」よりも 「物」が優先されるという事です。
どうゆう事か?・・・Kさんの家の玄関で説明します。
下駄箱と吊戸棚の巾に合わせて両脇の壁を作ります。下駄箱が壁より出っ張ってはおかしいので、そうならなによう余裕のある奥行を作ります。かなり余裕のある奥行です。
「壁の面とギリギリに合わせると、出っ張り引っ込みが出ておかしいんだよ」
「少しぐら奥に引っ込んでるほうがいいんだよ」
なんて言うのは、”楽(らく)に作る”ための口実です。
物は確かに納まったかもしれないけど、そのために、下駄箱の両脇の壁の”線”が強調されて、「壁」という存在が加わってしまい、ますます”物々しく”なるのです。
『 目的を実現するために”統一する”意志 』など、まったく感じません。
「ごちゃごちゃ」感じる理由
建て主には 「統一する意志」が無いわけではないと思います。
こんなスタイルにしたい。
(北欧風とか インダストリアルとか 和モダンとか シャビーシックとか・・)
こんな色合いにした。
こんな柄で統一したい。
とか。
ただ、そのために家のパーツの既製品(=物)を選んでいくのですが・・・
既製品がうまく取付られる事が優先 され、その物の存在が強調されてしまいます。
その結果、建て主の「統一する意志」で選んだはずなのに、なんだか物々しくなり、「ごちゃごちゃ」と感じるようになるのです。
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あなたがもし、ご自分の家に 「なんだかすきっりしない」と感じているとしたら、もしかしたら、この話しに当てはまるかもしれません。
解決する方法のひとつとしては、家の中の”要素”を減らしていく事です。
たとえば、今回取りあげたKさんの玄関では、下駄箱と吊戸棚を無くし、全体を収納とし前面にシンプルな扉をつける事も、ひとつの案として提案しました。壁のようになり見た目がすっきりします。扉の巾を大きくすれば、さらに壁のようになり、ちょっとしたものなら飾る事ができます。
既製品を取り付ける事が優先されてるため、変に出っ張っていたりします。その部分を作り変えるのもいいかもしれません。もちろん既製品ではなく、オーダーで。
もっと具体的な事をアドバイスする事ができます。
家の間取り図と写真をお持ちになって、こちらにご参加ください。
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7月13日(土) 10:00~11:30