(↑田安門の脇の石積みの塀の大きな石に触れる幸せ・・見苦しい手は、失礼)
家づくりにおいて「手で触る」事はとても大切だと思っています。
「触る」事でそのものの感覚を体で感じる事が大切なのです。
たとえば、石の感覚・・・ネットで探せがいくらでもいろんな石の情報が手に入りますが、いくら探したところで石に触れる事はできません。手で触れてその肌触り、固さ、冷たさ、などを知ったなら、「石」と言われて自分の感覚として判断ができるわけです。
これは、旧江戸城の「田安門」・・重要文化財です。いくつか残る江戸城の門が大好きです。
行くたびに、石塀の大きな石に、門の大きな柱に、手を当てています。
(今気が付いたけど、重要文化財に触っていいのか?)
この柱の木は、樹齢でいえば200年を超えているでしょう。そして1636年にこの門ができてから約386年(2022年時)・・・合計したら600年を超える時間が、この木にはあるわけです。わくわくしませんか?今、家に使われている柱はせいぜい60年くらい、へたをすると45年くらいの木です。それでもすごいけれど、その10倍の時間がここにある。「その600年という時間に触れている」と言ってもいいかもしれません。
そういう感覚は、実際に手で触ってみないと分からないわけです。触って無心になって感じてみましょう。たとえ石でもなんだか温かいものを感じてしまうのです。そして今、こうして触れられる事がありがたく感じます。
家を作る材料に、そんな感覚を持てたら、、家を「ありがたいもの」と思えるだろうし、そんなものの中に暮らせる事の幸せを感じられると思うのです。
現在作られる家の材料のほとんどは、石油由来のものばかり。触ってみても何も感じません。触っても、何かを感じる「感覚」さえなくなってしまっている私達。
家づくりを考えるなら、いろんなものを自分の手で触って感じてみてください。
いや、手で触って「感じる」感覚をとりもどしてください。
頭で判断するより、手で触り「この感触が好きか?この形がなじむか?」を感じて判断するほうが、正しいんです。
手の感覚って、とっても大切です。
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私がこの田安門を通るのは、その先にある国立近代美術館に行くためです。
今年、国立近代美術館のパスポートを買いました。
これは、近代美術館の所蔵品展をフリーパスで見れるものです。何度でも。
いわゆる常設展ですが、近代美術館は定期的に内容が変わるので新鮮です。
先日も行きました。人が少なくてゆっくりと見れて、1つの作品をじっくり見れて、本当に最高!
4階からスタート。最初の展示室は「重要文化財」の作品。この日は人が少なく重要文化財の作品を独り占めできる感覚です。すごい事です。この環境が欲しかった!
気に入った絵をじっくり見たいんです。
お気に入りの絵のひとつがこれ!
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岸田劉生
道路と土手と塀(切通之写生)
1915年・大正14年
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約100年前の東京・代々木の風景だそうです。
力強くて、日本の活気と力強さを感じます。
代々木ではないけれど子供の頃に見た風景につながり、土のボリューム感や匂いが浮かびながらずっと見ていられます。
夢中になったら絵に触ってしまいそうです。
特定の絵を目的としなくても、ここに来てぼーっとしてるだけでも心が落ち着きます。
MOMATパスポート お勧めしますよ^^
まあ、これじゃなくてももう少し高いパスポートは良い特典があります。
美術館のパスポート、、、絵が好きな人はぜひ!