5/1、半日、美術館でゆっくりと鑑賞。思ってもいなかった国立近代美術館・工芸館で開催されて「備前」展を知って寄ってしまい、ようやくこの日の目的だった国立近代美術館。
ここの常設展をじっくりと見てみたかったのです。いつもは企画展を見てからだから疲れていてさっと見てしまう常設展。かなりいいものがあります。(あたり前か。。)日本人の作家はもちろん、マティス、ブラック、クレー、セザンヌなどの絵を、「ゴッホのひまわり」のようにガラスの向こうにあるのではなく、すぐ近くで見れる・・・これって、すごいと思います。
それの何がいいかと言えば・・”絵を描いていた人と同じようにキャンバスの前に立てる”という事です。
近づいたたり下ったり、のぞき込んだりして描いていたはず。それと同じように動いて絵を見る事ができます。描いている本人を意識できるような気がしてドキドキしてくるんです(笑)
「何を描きたかったのか?」「どんな感情だったのか?」
そんな事を考えながらしばらく絵の前に立っていたり、離れて眺めていたり・・そんな事ができて楽しかった~
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結構写真を撮る人がいて、スタッフの人に聞いたら、フラッシュをつけなければOKとの事でした。(動画も不可です。)
それで、気に入った絵を撮らせてもらいました。
岸田劉生 「道路と土手と塀(切通之写生)」(1915年)
約100年前の代々木(東京)の風景だそうです。
赤土そのままの荒々しさと脳裏に蘇る土の匂い・・・こんな事をする人間の力強さ・・そんな感じがなんだか好きです。
松本俊介 「Y市の橋」(1943年)
横浜駅近くの橋だそうです。描いていた橋は、空襲でなくなったそうです。
当時の横浜の空気、工場の建物や国鉄の跨線橋、架線の鉄柱が入り混じっています。塩の混じった空気、鉄の匂い、電車の騒音などなどを感じるのに「静か」です。好きです。額もモダンな感じがして好きです。
(日本画のコーナーで。)
船田玉樹 「花の夕」(1938年)
誰でも惹きつけられる色と構図。すごいですね。
この美術館のコレクション展でもあるのですが、「春」をテーマにした展示なので、いつでも見れるものではないと思います。前はなかった。
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じっくり見て、他にも気になる作家がたくさんいました。これからいろいろ探してみようと思います。
コレクションの中で「特集」というか、もうひとつ企画がありました。それが・・・
「杉浦非水」展。
昨年・・「大正の広告展」・・・だったか忘れたけど、そうゆう内容の展覧会を見て、その時に「杉浦非水」という人を知りました。彼のデザインしたタバコの箱のパッケージやポスターにとても惹かれ、「もっと見てみたい」と思っていました。
⇒ 杉浦非水
たまたま来たら、「杉浦非水」展をやっていて驚きです。
この国立近代美術館が、親族から寄贈を受けたという事でビックリ!「ここにあったんだ!」と。
前期もあったんだ・・・残念!
この展示を見てわかったのは、驚くほど絵がうまい事と、物や生き物をものすごく観察しつづけ、デザインにかかわるあらゆるものをコレクションしていた事。ものすごい量の仕事をしていますが、「尽きなかった」のは、そうゆう裏付けがあったんですね。
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今回、国立近代美術館の常設展を見るだけのつもりでいたのに、偶然、、たまたま、、ふたつもご褒美をもらったようで、とっても素敵な一日になりました。「ゆっくり絵を見たい!」という事も叶いました。
思った時に、動いてみるものですね!
(おしまい)