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家は暗くていい2(江戸東京たてもの園2)

 

江戸東京たてもの園 に行ってきました。

古い建物の中で、感じて考えたい事があって行きました。

第2回です。

前回は「 家は暗くていい 」という事を書きましたが、その続きです。

この写真は 天明家(江戸時代) という農家の家です。立派な長屋門がある大きな家です。

長屋門とは、極端に言えば「大きな門扉」ですが、ただ、どう見ても建物です。「長屋門」というくらいですから建物は長屋でありその一部に門扉があると考えるもののようです。入口の両側に部屋があり、物置きだったり、使用人の部屋だったりします。

上の写真は、その長屋門の手前から奥の母屋を見たところです。

黒い長屋門で四角に縁取られ、母屋が一枚の絵のようです。

心を整える場所と言ってもいいのかもしれません。

 

これは、門の脇の部屋です。ここは、茶室だったのでしょうね。もしくは「応接間」のような?

部屋の照明は、明治、もしくは大正に入ってからだと思います。写真のように昼間は、照明がなくてもある程度明るさがあります。(照明はついてますが。。)

夜、このペンダント一つだとして、決してすごく明るいわけではないですが、天井が低いので、畳に反射した光が天井もうっすらと照らし、とても落ち着く部屋だと思います。

畳やふすまや障子が明るい色ですから、反射光でもそれなりに明るくなります。

昔の家のシンプルさは、そういう効果もあります。

 

こちらは母屋です。基本的に部屋の4面がふすまや板戸です。そうすると白い面が少なくなりますが、扉の上の下り壁が白い漆喰で、そこに光が反射すると「ふわっ」と光が広がり、やはりなんとなく明るく感じます。江戸時代、ろうそくや行燈が照明ですが、その光でも、意外と明るいと思います。

それから、この写真でもわかるとおり、部屋の中は暗くても、いや、暗いから、外の明るさが際立ちます。奥に明るさがあると、気持ちが伸びやかになります。落ち着きます。とっても気持ちいいですよね。

現代の住宅は昼も夜も明るいです。つまり、家の中に伸びやかさが無くなっているという事。小さい家であっても、プランを工夫する事で伸びやかさを感じられる家を作る事ができます。

私達の家は、昭和の高度成長期からともかく「家の中が明るくないといけない」と、明るい照明を付け続けてきました。部屋の隅々が等しく明るい家です。

戦争があったからその反動である事はわかるんですが、なくしたものがありますね。

いろいろあると思います。あなたはどう思いますか?

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