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建築にはうるおいが必要です



立川市役所です。

http://www.noz-bw.com/works/tachikawa2/post_2.html

設計の野沢さんは、大学の時の講師で、教わった事があります。

**

公共建築として潤沢な予算ではなかっただろう事は
実際に見て推測されます。
(ただし、実際にはそんなにローコスト建築ではないはずです。)
それを反映した部分もあると思いますが、
スケルトン・インフィルという考え方で作られ
構造と付随する設備がはっきりと分かれていて
執務空間もできるだけ壁を作らず
将来の変化に自由に対応できるよう
考えられています。

基本的にその考え方は好きです。

時代とともにいろいろな概念が変わっていきます。
それは予測できないものですから、その変化に対応できる事は
市庁舎として必要な能力だと思います。

それはそうとして・・・

この庁舎に入ってまず感じたのは

「 なんだろ、この気持ちの盛り上がりのなさは・・」

という事です。
とっても真面目に作られた建築だけど、突出した造形や空間ではありません。

申し訳ないのですが、ほんとに昔の建築を連想してしまったのです。

「乾いてる」・・・そう、「うるおいがない」

ものすごくタンパク。

食べ物で表現すると、ただの 白いおかゆ!

そうゆう目でみてわかったのは、照明の単純さと色の無さ が原因です。

照明のランプは全て「白色」・・サイン類もとても控え目です。


白いおかゆに、三つ葉やゆずをちらしただけでも、見た目に感じる気持ちが変わります。

建築というものの中で、色や光は、「三つ葉やゆず」なのです。




市役所を出たあと、近くにある 立川 IKEA に行ってみました。



この建物は、本物のローコスト建築です。

でも、ワクワク感とか、温かさみたいなものを感じます。

もちろん店舗と市役所を比較するのは無理があるけれど、人をもてなしたり楽しんだりという部分は 共通すると思うんです。

市役所に来る人は「市民」であり なにかしら公共の手続きをしに来るだけで、そこに楽しみを求めているわけではありません。

でも「行政」を「サービス」と置き換えれば、「市民」は「お客さん」となり、市役所が、楽しい場所であっていけないという事はないと思うのです。

それに 「従業員」である「職員」が、均質な空間でただただ真面目に仕事してるより、何かワクワクする空間でいろいろな発想が湧くような環境のほうが、業務としてもサービスとしても、よりよい結果をもたらすのではないかという気がします。




住宅も 同様です。
暮しの器としてシンプルなものがいいと思います。
でも「うるおい」という質がないと、なんだかつまらいものになってしまいます。

それは建築費の多い少ないとは関係なく、
考え方、暮しを楽しむ心があれば、実現します。


**
gooブログで初の記事です。
勝手が違うので、手探りな部分があります。
もう2~3書けば、慣れると思います。
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