写真は、50代ご夫婦とお子さんの家です。ご夫婦が若い時、建築家に依頼して作った家をリノベーションしました。
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暮しずらくなった築20年の家がリノベーションで「暮しを楽しめる家」に生れ変わりました。
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決して家を嫌いになったわけではありません。オーダーメイドの家での暮しを楽しまれてきました。ただ・・・家族が増え、お子さんの成長とともに、家の使い方が変わり、いつしか、それぞれ「居場所」がなくってしまったのです。
家の基本は変えずに、機能と間取りを考え直し、家族の「居場所」を作りました。
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住み始めてから、施主はこんなふうに言われました。
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『家を作る』というのは「自分にとって何が大切なのか?」を考えるいいきっかけです。『家を作った』事で見えてくる事があります。
部分部分でしたかった事が、「全体的にこうゆうことだったのか!」というのがわかりました 。はじめは、「どこまで直せるのか?」「何ができるのか?」わかりませんでした。問題や不便があっても、暮していると「あたり前」になってしまいます。でも「こうすればよくなる」というアイディアをもらって「ああしたい!こうしたい!」と思えるようになって、楽しくなりました。
( 施主インタビュー より )
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提案:定年後の家の考え方
ここまで 「定年後の家」は夫婦ふたりの家を想定して考えてきました。
実際には、もっといろいろな家族の形があります。
- 成人した子供と住んでいる
- 親と同居している
- 2世帯で住んでいる
- ひとりで住んでいる
現在そうである場合、、これからそうなる場合、、とあります。
これから提案する考え方は、どのタイプでもうまくいくとは限りませんが、少なくても「夫婦の間」では必要なのではないかと思います。
定年後の家 は・・・
シェアハウス
説明します。
定年後の家を考える-3 でも書いたように、現在、多くの人は、「自分の時間を大切にしたい」と考えています。
さらに、定年後夫婦でうまくやるには・・
- 相手を尊重する
- 相手の話しをよく聞く
という事が上げられています。
それ・・会社でも、チームやグループでも言われてきた事ですよね。「夫婦なんだからなんでもわかってる」と過信せず「個人」として相手を見る事が必要だという事です。
という事は、、「個人」と「個人」が暮らす家ですよね。
それはまさに シェアハウス。
- 相手に依存せず、まずは自分がやる。
- お互い助け合う。
- 相手を束縛せず、尊重する。
- 暮らしのルールを守る。
そう考えると、やはり シェアハウス。
ルール なんて書くと堅苦しくなりますが、「自分視点」だけでは見えない「相手の不満に思う事」がありますから、そこを、お互いに自分を変える必要があり、それをはっきりさせるという事です。
これは、話し合う事が必要です。相手の事・・やっぱり、わかってないんですね。
「自分の事わかってくれない」 と不満がありますね。
でもそれはお互いさま。 相手の事を理解するのを、ずっと忘れてきているかも。
話し合った上で、別々の部屋が欲しい となれば、できるだけそれを実現する事が必要です。
シェアハウス と言いましたが、現実には他人と暮すわけではありません。
ただ、どこかの時点で、お互いをもう一度認め合わなければ、なんだか漠然と『依存関係』が続いてしまいます。年齢が上るにつれ「我がまま感」も出て来ます。そんな関係で、「これからの長い人生」をいっしょに歩いていけるのでしょうか?
「夫婦だから・・」「家族だから・・」という言葉は大切であるけれど、”あやふやさ”も含んでいます。
そこを一度 分解してみる。 分解すると 「個人」があります。
”独立した個人”の集まりとして、もう一度 夫婦 家族 を始める。
そのきっかけが 「定年」 とうタイミングかもしれません。
(*早ければ早いほどいいのかも。。)
「本当はこんなふうにしたい」を実現する
家を作った(手に入れた)時、多くの人は”定年になった時の事”なんて考えていなかったと思います。
- 仕事が忙しかった
- 家は寝るだけ
- 家は子供のため
- 家族が喜ぶならそれでいい
など、家に対してはそうゆう気持ちだったではないでしょうか。仕事と子供の成長で目一杯の日々。
定年になる頃には、、そうゆう状況は終わりつつあります。
忙しかったそれまでの時間の中で、家の事・・あまり考えてこれなかったかもしれません。
でも、誰にだって、「家でこんなふうにしたいな」って気持ち、あります。
- ひとりでゆっくり本を読みたい
- 趣味の道具を存分に並べ手入れしたい
- こんなスタイルのリビングにしたい
- 壁にしっくいを塗りたい
- ベランダで食べたい
とか。
口には出さない、もしかしたら意識もしてない事かもしれません。これまでは、相手のために、、家族のために、、と我慢して心の中にしまい込んでしまった事、、もう我慢しなくていいと思います。
全部は無理だとしても、ひとつでもふたつでも実現してみましょう。毎日の暮しが楽しくなります。「次は・・」と考えると元気が出て来ます。自分の心の状態が変わるので、他の問題を許せたり、大した事ではなくなるかもしれません。
ぜひ、自分の中に閉じ込めてしまっていた 「本当は・・・ 」という声を聞いてみてください。
楽しいから元気が出ます。楽しくて元気だから、優しくなれます。優しくなれるから、夫婦の時間、家族の時間がこれまで以上に楽しくなります。
まとめ
■ 定年後の家は、シェアハウス。
夫婦が、家族が、”独立した個人”として自分の事を見つめ直し、相手の事も同様に”個人”として認める。
■ 「本当はこんな事したい」を実現する
「本当は・・」フタをしていた自分の本音に気づく。そして、まずひとつ実現してみる。
家が変わり、自分が変わり、夫婦の(家族の)時間が変わっていきます。
・・
第二の人生・・楽しく生きたいですね。
( 定年後の家を考える : 終わり )