今年6月の建築基準法の改正による建築業界の不況が起こり始めている。
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8月の前年度比住宅着工戸数はマイナス43.3%。
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建築基準法改正後、建築確認を申請しても、受付がされない。
受付られても審査に異常な時間がかかっている。
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今回の改正は、まったくの不整備であるにも関わらず、強行された。
よって、申請する側は当然わからない部分が多くあるのだけど、
審査する側もまったくわかっていない。
だから受付ない。受付けても時間ばかりかかる。
こんな事がありなの?
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改正は「耐震偽装」をきっかけに行われたわけだけど
その根本の趣旨は
「建築業界は悪い。だから、すべての事項を決めて、それに基づかなければ建築確認はしないよ」
ということ。
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その結果、事細かに書類を出させ、設計に関わる者の氏名をはっきりさせ、いざという時の責任を明確にさせる事になった。
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別にそれはそれでいいのだけど、問題は、事細かに審査の段階で図面や書類を出させ、ほぼ、そのまま作れ、といわんばかりのやり方。
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建築は現場に入ってどんどん変わっていく。それは、よりよくする、ため。
それを審査する段階ですべて決めさせようとしている。
「変更してもいいですよ」とはなっている。
「だけど、その時は事前に審査します。その間、工事はできません。」なのだ。。
審査に時間とお金がかかる上に、またさらに時間とお金がかかる。。
普通に考えて、誰もしたくなくなる。
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だれも、審査側に責任をとれなんて言ってない(あきらめで)。。
耐震偽装の時も、結局、審査側は何も責任をとっていないし、今回の改正においても、ますます「自分達側が責任をとらない」方向が明確になった。
悪い事しないように、がんじがらめにする。
極端な言い方だけど、そんな感じなのだ。
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一度変わった「法律」だから、すぐに変わることはないだろう。
その間、日本の建築は、「死の時代」となるかもしれない。
何か新しい試みをしようとすれば、とてつもない申請業務と期間と金額がかかるから。。
「基準通りの不可のないものを作ればいいんだよ」という法規になったから。。
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多くの者は、「不可」作るなんて事は考えてない。
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建築は経済を引っ張るものの一つであるから、ここが落ち込む事で、不況 になる可能性を含む。
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構造設計者の話しを聞くと、改正以降申請を出したもので、今だ、一つも確認が降りていないという。構造事務所も設計料が入らない。構造事務所を廃業した人もかなりいるらしい。
構造事務所に限らず、各建築業者も、工事が着工できない限り、お金が入らない。資金繰りが悪化して解散や倒産も出始めているとの事。
さらに、工事を始める事ができないという事は、施主・事業者にとっても多大に負担がのしかかる。
民間の申請機関も、業務縮小や廃業するところが出始めているらしい。
結局残るのは、行政だけ。。?
(実際、民間の手数料は高くなり、行政は安い。だったら行政に行くでしょう・・・)
逆行している。
建築「確認」ではなく建築「許可」になっていくのか・・・・
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多くの建築関係者は、まじめに仕事をしている。そして、それぞれが、国民。
法律が国民を苦しめる。。