空を飛ぶためには

これをすれば飛べる可能性がある。
とある人は言う。


但し可能性の話であって、確証はない。
骨のない、何もない空間に肉付けをしても結果的に剥がれ落ちる。可能性がある為、この例えは間違っているが、それに似ていると感じた。


それを無償で提供された有難いものと受け取る事は美徳なんだろう。
しかしそれを受け取るまでに、精神的な圧迫や苦痛があるとすれば、話は別だ。

空を飛ぶ為にはそれ相応の対価が必要なんだ。
とある人は言う。
飛べるという約束はできないと言い放たれるが、飛べる可能性はあると言う。

しかし、それまでには苦しい訓練がある。
空を飛ぶという、漠然と想像の出来るものであれば、進む者もいるだろう。

けれど、空を飛べるという、イメージと直結の出来る結果ではなく、イメージができないものだったらどうだろうか？

苦しみに耐えて進んだ先に待つものが解らない。
解るのは苦しみから解放されたという結果だけだ。
その苦しみや圧迫を、経験と捉えるのか。複数人で乗り越えた場合は結束力が産まれたと捉えるのか。
そんな漠然としたモノが待つと伝えられた場合、進む者は減るんだろう。
経験から答えを自ら構築する必要もあるのだ。

失敗を経験という美しい言葉で塗り替えることが出来るのか？
そう問われている気がしてならない。

その質問にイエスと答え、進むべきなのか。ノーと答え、退くべきなのか。
散る花を追うのは間違えなのか。出ずる月を待つことが正解なのか。

何も解らない。
だから動いて、出来ることを行う。