1960年、当時マサチューセッツ工科大学の教授で行動科学の権威、ダグラス・マグレガーによって記された、
“THE HUMAN SIDE OF ENTERPRISE”
「企業の人間的側面」-統合と自己統制による経営
を改めてひも解いてみました。
1960年という今から約50年も前に書かれた本ですが、その理論であるX理論(権限行使による命令統制)とY理論(統合と自己統制)は、この時代にあってますますと輝きを放つものだということを痛感します。
昨今の世界的金融危機の流れを受け、実態経済、とりわけ雇用環境に劇的に厳しさが顕在化しはじめました。
特に自動車業界での派遣社員の契約解除などが際立ってきています。また企業内における非正規社員の割合はそのボリュームを増すばかりです。
昨日、テレビ放映の中で映し出されていた解雇通告を受けた派遣社員の方のコメントがズシリと心に響きます。
「どうか人として扱ってください・・・」
これから突入するサバイバル時代にはたして私たちは人間主義的な世界を組織内、企業内において実現することが可能なのでしょうか?
これからまさに経営者として、経営幹部としてそこをどのように捉えていくかが大きなポイントになるに違いありません。
それは、基軸を失ったこれからの日本の企業の在り方を示唆していくものであり、モラルと倫理を失った市場主義経済あり方へそのものへの考察へとつながっていくことでしょう。
マグレガーからの提言
人の問題こそ企業の「決め手」である。経営者が人材を使うときにどのような理念を持つかによって、その企業の性格が決まるものであり、また、次代の経営者の質をも決めるものである。そのため、経営者は経営には理論が重要であることを認め、自らの経営への考え方を検討して明らかにすることが必要である。
ヒューマンスキルアップの専門教育機関
Human Unity LLC/ヒューマン・ユニティ(合)
代表 網中 達也
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