ひらつかウオーキング協会

2017年5月 ウォーキングと認知症

ウォーキングと認知症

 皆さんはウォーキングを行うことにより脳が活性化され認知症の予防となっていることをご存知でしょうか。
 ウォーキングは、脳にたくさんの酸素を取込むことができることにより細胞の活性化が行われるとともに、歩きながら目や耳から色々な情報を取込むことが刺激となり、記憶力や集中力がUPすると言われています。このことが認知症の予防に繋がることになるわけです。
 そうはいっても、私たちも認知症の予防のためには、ウォーキングに合わせて脳を鍛えてゆく必要があるのではないでしょうか。
 「ボケル=認知症」かというと、単なる物忘れと、認知症とでは異なるものと理解したほうが良いでしょう。
 人の名前を忘れる、鍵などの置き場をつい忘れてしまう等は、その事柄に注意を払っていないことに起因しており、生理的な物忘れということができます。
 これに対して認知症は、出来事自体を思い出せないなど、病的に物忘れをするわけであり、代表的なものとしては、認知症の65%を占めるといわれる「アルツハイマー型認知症」等があります。
 私たちウォーカーも気を付けなければならないのは、この「病的な物忘れ」ということが言えます。
 
 脳の不調は、外見からは判らないために、予兆を知ることが大切となります。
 
 「時間が気にならなくなる」
 時間を守らなくなる、約束そのものを忘れてしまう等は要注意と言えます。
 特に、昔のことは覚えているのに、直近のことを忘れてしまう等は、症状の一つと考えられます。
 
 「話がかみ合わなくなる」
 つい先ほど話をしたことを忘れ、会話に食い違いが起きるなどは、脳の中において記憶をつかさどる「海馬」の萎縮が始まっているのかもわかりません。
 
 「物事が一回では済まなくなる」
 同じことを繰り返し話をしたり、質問したりと、いろいろなことが一回では済まなくなります。これは、「つい先ほどの言動を忘れてしまう」ことにより起きることで、症状が進んでいるのかもわかりません。
 
 「気持ちが抑えられない」
 予定が急に変わるとパニックになるなど、理解力が低下することにより感情を抑えることが難しくなっていることがあります。
 
 「記憶が保てない」
 人と話をしている最中に、話をしていた内容を忘れてしまうようでは要注意です。記憶は時間の経過とともに薄れてゆくものですが、直前のことが分からなくなるようでは要注意と言えます。
 
 「今までしていたことをしなくなる」
 いつも楽しんで行っていたことをやらなくなったなども要注意です。買い物をしたときなど、お釣りを計算していた方が、言われるままになる、すなわち、自分でお釣りの計算をしなくなるなども注意が必要です。
 
 ではボケないために脳を鍛えることができるのでしょうか。
 本屋さんなどに行くと、「脳トレ」関係の本が並んでいます。
 私たちも、このような本を馬鹿にしないで少しづつ始めてみようではありませんか。
 以下に、その方法を記載してみます。
 
 「右脳を鍛える」
①今日であった方の名前を書く
 ウォーキングや買い物、ご近所でお会いした方の名前を書きだしてみる。
 毎日行っていると、多い日や少ない日まあるかと思いますが、人と会話を行うことが、脳に対する大きな刺激となります。
②その日買い物をしたものは何でしょうか
 毎日家計簿をつけている方はそのまま続けるのが良いと思います。そうでない方は、その日に買い物をしたものを思い出して書き出すのが良いでしょう。
③その日何をしていたかを書き出す
 日記をつけている方はそのまま続けるとよいと思います。日記などは面倒で書いていない方(私もですが)は、ある時間、2から3時間単位に何をしていたか思い出して書くようにしましょう。例えば、9時に何をしていたか、12時に何をしていたか、15時に何をしていたかというようにすると良いかもわかりません。
④昨日の何時には何をしていたか書き出してみましょう
 毎日その日のことを書くのではなく、一日前のことを思い出して書くのが良いといわれています。
 どうも、毎日日記をつけ、その日記に、昨日の行動を記載するのが良いようですが、三日坊主の私にはこれほど難しいことはありません。
 
 「左脳を鍛える」
①日常生活を数値でとらえる
 生活の中に数値を取り入れることが良いようです。
 今日話をした人は○人
 今日鏡は○回見た
 今日お店には○軒いった
 今日は○歩歩いた
 等々、生活の中を数字で表して記録してゆきましょう。ウォーカーの皆さんですから、日々万歩計はつけていますよね。これも記録してゆきましょう。 ウォーキングダイヤリーに記録して、自分の歩幅をかけると歩行距離が出ますので、合せて記録し、地球一周を目指しましょう。
②書き順を思い出して漢字を書きましょう
 一日にたくさん書く必要はありませんが、ドリルや、漢和辞典を参考にして書くと良いと思います。
③部首を決めて当てはまる感じを並べてみましょう
 漢字には偏とか旁、冠などの部首があります。一日ひとつでよいと思いますが、サンズイなどと決めて漢字を洗い出してみましょう。これも漢和辞典が役に立ちますよね。
④折り紙を折ろう
 子供のころを思い出して折り紙を下りましょう。最近は折り紙の市販本もたくさん出ていますので、一冊購入し、きれいな千代紙も購入して折るとよいようです。脳に指先の運動が良い刺激を与えてくれるそうです。
⑤ウォーキングをしましょう
 これはいまさらということですね。先にも書きましたが、自然の刺激が脳の活性化に役立ちますので、ウォーキングを楽しんで生き生きとした生活を楽しみたいものです。
 ウォーキングの記録をすることも大切ですので、面倒がらずに歩数と距離、IVVのシール張など続けてゆきましょう。

 脳を樹に例えると経験は枝ぶりだそうです。質の良い刺激を与えると、いつまでも成長することができるそうです。
 一番よくないのが、他人との接触を断ち、閉じこもってしまうことのようです。
 未病を治す(改善する)の話を記載した時にも書きましたが、食事と運動、コミュニケーションが大切だといわれています。
 家を一歩外に出かけ、太陽の光を浴びながら、ウォーキングイベントに参加し「おはよう」の挨拶を行い、体を動かし、自然の刺激を享受することが、脳トレの一環だと思えば、また、ウォーキングにも今までと異なった楽しみ方も出てくるのではないでしょうか。
 


 私たちウォーカーは、認知症にも負けずにいつまでも元気な脳を保持して楽しい毎日を過ごそうではありませんか。
 
出典:PHP3月号:ボケない脳の鍛え方 加藤俊徳
 
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