実はそれほど惹かれていなかったGiovanni Mirabassi。
有名なソロ「Avanti!」がそれほど響かなかったのは、Chick Coreaの音で耳が育ってしまい、無意識にそこを基準に聴いてきていたから。
上手い下手というよりはタイム感の正確さみたいなところかと思う。それとタッチの強靭さと音の立体感。
数年前にFred Herschに耳を解体されました。全く違った音の鳴り方、重ね方。
それ以降に聴いたMirabassiは違って聴こえました。
すごく柔らかな音を鳴らしますね。
そして曲はこれでもかという情緒の連続。
この作品なんかもほとんど同じ方向を向いた作風なのでほとんど一曲一曲は覚えられず、
しかし初めの2曲の美しさでそんなことはどうでもよくなってしまう。
実はピアノトリオ自体すでに小さな世界で、聴く人によってはどれも同じなんでしょう。
Mirabassiはさらに絞って、ジャズ慣れした耳にもその世界はさらに小さいものに感じる。
でもそれでいい。
アーティスト単位での個性が明確、こちらとしてはしっかりあなたのことを認識できるのだから、
そのことがとても大事に感じます。
それって音楽に限らず、なのかもしれないですけどね。
こういう「ぶれない」人生って、危うさとあこがれが入り混じった、なんとも言い難い心境でいつも眺めてしまいます。
Giovanni Mirabassi / Terra Furiosa
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1.Alfonsina Y El Mar
2.#3 4:04
3.Sienna's Song 7:34
4.Last Minutes (Intro) 0:48
5.Last Minutes 6:22
6.Radicaux Libres 3:21
7.W.A.F 4:30
8.Amba 5:25
9.Worry Doll
10.We Have The Blues Mr. President
Giovanni Mirabassi-piano
Gianluca Renzi-bass
Leon Parker-drums
2007年録音