アレックスループ・ハムパックを購入しました
ポータブル・マグネティック・ループアンテナシステム(MLA)
AlexLoop HamPackポータブル磁気ループアンテナは、アウトドアでのHFの手軽な運用をターゲットにした磁気ループアンテナシステムです。一度トライしてみたくて購入しました。
金額は個人輸入しましたので品代:US$599, 運賃US$78.28(日本円での支払い¥80,533)、それに到着後に消費税¥3,900で合計¥84,433でした。後で国内でも販売している所が有ることがわかりましたが、販売価格は\92,400だそうです。この方が手間いらずで良かったかもしれません。私が購入したのはDX Engineeringという米国の販売店からでした。外側の梱包をとくと、こんなバッグに入った状態で届きました。
このアンテナはバッグ(1,370g)を除いて、アンテナだけでは約500gと非常に軽量でQRPトランシーバー用として開発された磁気ループアンテナで、説明書によると40〜10mバンドで使用できると表示されていました。ほんの2分程度で組み立て可能で、直径0.914mのメインループが出来上がります。持ち運びに便利なように、専用のバックパックが付属していますおり、2つの小型ポーチを備えています。片方は小型のサイズのQRPリグ収納に、もう1つはアンテナとその他アクセサリの収納に利用できます。キャンプ、ハイキング、山の頂上での運用に必要なものをすべて持っていけます。このため旅行にもHamPackを持って行き、ループを窓やバルコニーに取り付けて、ステルスで操作することもできそうです。但し取り付けのための三脚ないしはポール等は付属していません。
説明書によれば、AlexLoop HamPackポータブル磁気ループは、7〜30MHzの任意の周波数でもほんの5秒程度でアンテナのチューニングを行うことができる機能を備えています。新設計によって周波数が正確で大きな文字で印刷されたチューナーボックスは、調整しやすく設計されています。大きなノブ、非常にスムーズな減速ギアシステム、および専用の内蔵されたAlexTune LEDインジケーターにより、このポータブル磁気ループの調整は簡単でした。記載されていた最大許容電力は、SSBではPEP25W、FM / AMおよびデジタルでは10Wです。メインループの同軸ケーブルでできたメインループにはM型コネクタが接続されておりチューニングボックスに直接接続します。また、BNCコネクタ付きの2.6mの無線機接続用同軸ケーブルも含まれています。
AlexLoop HamPackバックパックの寸法:
全体として、:W34 x H42 x D 26 cm(13.39 x 16.54 x 10.24インチ)
トランシーバー用内蔵ポーチ:30 x 11 x 17 cm(11.81 x 4.33 x 6.70インチ)
アクセサリ用内蔵ポーチ:30 x 13 x 15 cm(11.81 x 5.11 x 5.90インチ)
携帯電話用の追加ポケットと2本の500mlウォーターボトルを格納できるポケットがあります。
メーカーには800を超えるQRPでのDX通信の報告あったそうです。このアンテナの設計者Alexandre Grimberg、PY1AHDは、アウトドアでのHF運用への情熱をAlexLoop HamPackに注いだそうです。以前のWalkhamモデルの成功に基づいて、新たにHamPackシステムを開発したそうです。各AlexLoopは、最初のネジから最終テストまで、Alex自身が完全に手作りしているらしく。基本形のループ販売から12年を経たAlexLoopは世界で最も人気のあるポータブルの磁気ループアンテナになり、磁気ループアンテナの標準と見なされています。 AlexLoopによってもたらされたポータブルHF運用革命は、多くの模倣品をも生み出しましたが、AlexLoopの効率、携帯性、および使いやすさを再現したものはまだないそうです。
組み立て
バッグに格納されているすべての部品を出し、まず初めに支柱になる3本の黒いチューブを接続します。小さい給電ループが上に、チューニングボックスが下になるように、管をお互いに差し込んで繋ぎます。小ループとボックスは支柱の同じ側になるように組み立てます。面ファスナーで止められている同軸ケーブルを円になるように開いて整形します。同軸ケーブルには中央に取り付けループが付けられていますので同軸ケーブルが支柱の面が平らになっている側に来るように支柱の上部に固定します。両端につけられているM型コネクタをチューニングボックスにきつく接続します。自然な円になるように更に整形します。カメラ用三脚や木製ポールなどに固定できるとアンテナ方向を自由に回転ができるのでノイズや混信を避け、弱い電波の受信状況を向上させることができます。
構造
構造としてはメインのループが同軸ケーブルで構成されており、この同軸ケーブルには、ブラジルのデータリンク社のDCL213 Premium(外径10.3mm)が使用されていました。ループは、の直径は説明書から914mm、ここから計算すると外周長さは2871mmになります。給電用の小ループはスチール製のような感触ですが材料は正確には不明です。このループは4.5mm径のケーブルで作られており、外周200mm(直径は約64mm)で作られており、支柱のパイプに結束バンドできつく固定されていました。この給電用のリングは支柱の内部に曲げて挿入されており、市中の内部で同軸ケーブル(3D-2V程度のブラジル製同軸)に接続されているものと思われます。
チューニングボックス内では2連バリコンが減速ダイヤルでボックスに固定されており、2連を直列にして使用しており、測定したところ最大容量で189pFでした。このバリコンはボックスに引き込まれたメインループの両端から同軸ケーブルの心線だけが並列共振回路として接続されていました。
支柱に固定された小ループは支柱ごと少しだけ向きを変えることもできますがアンテナとしてはあまり劇的な特性変化は見られませんでした。
チューニングボックスの中身はいたって簡単で減速機のついた2連バリコンとAlexTune LEDの小さな基板だけでした。
調整
調整はいたって簡単でチューニングボックスのダイヤルを回して運用周波数に合わせるだけという簡単さです。このモデルではLEDで同調レベルを示しており、CWで送信しながらLEDが最も明るく成るポイントを探せばほぼ同調した位置を探せるようになっています。IC705のようなバンドスクープがある場合はダイヤルの動きに合わせてノイズレベルの痕跡が移動しているのがわかります。
バンドごとのSWR特性(青線―左の軸)とリアクタンスXs(赤線―右の軸)はSARK-110で測定し、専用のPCソフトSARK-Plostでデータセーブしました。
7MHzで追い込んでみたが最低のSWRは1.88までしか下がりませんでした。
14MHzの最低SWRは1.39
18MHzでの最低SWRは1.60でした。このバンドが最も広い範囲で使えそうです。
21MHzでは最低でもSWR2.68でした。
24MHzではSWRは5.5までしか下がらず、各バンドともアンテナチュナーを設けた方がよさそうでした。チューニングダイヤルを回すとこのグラフが左右に移動する感じでした。また、24MHzより上のバンドではSWRは5以下になることはありませんでした。
スミスチャートの1例で7MHzのものです。どのバンドでもほぼ同様の形になっていますが周波数が上がるとこの円が左上に上がっていき小さくなります。ダイヤルで周波数調整するとマーカー位置が縁に沿って移動するだけでした。もう少し全体を右方向に移動できる調整法が見つかるといいのですが。今のところありません。
運用
同調周波数でのSWRは非常に鋭いカーブを示しており、SWRが2以下まで下がるバンドは7MHzから18MHzバンドまでで21MHz以上では2.0以下まで下がることはありませんでした。更にそれ以上の上のバンドでは十分にSWRが下がることはありませんでした。しかも運用できる範囲は非常に狭く、バンド内でも周波数を移動するたびに少しずつチューニングを取り直す必要があります。
とりあえず平日でしたが13:46から14:54まで宇都宮市内の自宅からCQを出してみました。その時のログが上の表です。20局ほどの局から呼ばれました。14:54以降は私から呼んでみた交信でした。これらは全てIC705を使い約8W出力での運用でした。アンテナは三脚の上に取り付けて2階の窓から外に出して運用しました。何れの国内ですが10W以下でも十分交信可能であることがわかりました。
使用した仮設状態はこんな感じでした。水平に配したPVC管は外径18mm(VP-13)で追加してつけてループの形を円形に近づけるために作りました。
以上
2022Feb 20
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