この頃思うこと

私も時流に遅れまいとブログを書くことにしました。

カーボンロッドをアンテナに使用する

2022-05-01 18:20:04 | その他のアンテナ

カーボンロッドを使った18MHz用デルタループアンテナの制作

 

2022年5月1日

これまで多くのOM諸氏から釣り竿で最近よく使われているカーボンファイバーをエレメントに使用するとアンテナとしてはうまくいかないと長年言われてきており、私も、6m、12mバンド用のデルタループにはもっぱらグラスファイバーで強化された(G-FRP)釣り竿を使って製作し、移動運用に使用していました。

昨年、AlliExpresで間違えて購入してしまった6.4mのカーボンファイバーで強化された釣り竿ですが、長さの割には重さが非常に軽い(カタログ値でわずかに(206g)ので、これを何かに使えないかといろいろ悩んでいました。トライとして、まずホイップアンテナとして様子を見たところ、5.6mのテレスコピックンテナと比べて大差のないことが分かり、デルタループにして18MHz用にしてみようと考えていました。なにせ今使っている18MH上のデルタループはグラスファイバーロッドを使って製作したものであり、重い難点があります。

https://ja.aliexpress.com/item/33048912962.html?spm=a2g0o.order_list.0.0.26ed585aOsxAIr&gatewayAdapt=glo2jpn

先日の横浜みどりクラブとQRPクラブの合同のアンテナ製作プロジェクトでのJG1GPY安部 健OMの発表とその後の検討会によると、垂直系ではもともとのインピーダンスが大きいことからロッドの数十Ωの直流抵抗は影響が少ないのだろうとのことでした。また接続部は静電容量によって交流的には接続されたことになっているのだろうとのことでした。

測定してみると、次のようになりました。

抵抗値はカーボンファイバーに接触するように、断面部分同士で測定しました。

それでもそれぞれのエレメント素子毎の抵抗値から見て、デルタループの200Ωのインピーダンスに比べてみると、ロッドと最先端ロッドを除いて断面部分間で測定した抵抗値の合計(element#2~”10)は、77.8Ωであり、のエレメント抵抗+接続部の全体抵抗は、影響が大きそうだということで、今回は、釣り竿の内部に電線を通して試作することにしました。

最終的には電線を内部に通すこととし、そのために電線を通すには細すぎる先端の素子2本は前もって外しておき、先端エレメントには抜け落ちないように9段目にインシュロックと白い絶縁テープで目印としておきます。また、中を通した電線は伸ばし切った時にロッドの先端に来るところで同じようにテープとインシュロックで目印を付けます。これはロッドを引き出し忘れて短くなったまま使用するというミスを回避するためです。

Try#1での寸法概略図です。

全長は波長に対して103.3%でした。エレメント部がカーボンロッドを使ったエレメントです。+15cn部分はバランへの接続部分です。周波数調整には水平部エレメントで行う予定です。

エレメントの外観図です。ケーブルはエレメントロッドの内部を通しています。その為にもともと11段(6.4m)あったカーボンロッドの先端2段は前もって取り外しておき9段として5.66mで使用しました。

取り付け基台」は以前JA6RGB 宮崎勝彦OMに以前分けてもらったもので、

http://ja6rgb.backdrop.jp/

e-メールでコンタクトしたら基台(Uボルト付き)だけでも販売するとのことで基台だけで分けていただいたものです。厚さ6mmの非常にがっちりした基台です。30mm程度のポールでも止められるようにステンレスのスペーサーを入れて使っています。

バランは以前も製作実績のある大進無線から販売されているキットでKIT-DB-200V、4:1バラン、、200W仕様です。注文は以下のHP から可能です。

https://www.ddd-daishin.co.jp/db.htm

200Ωの抵抗を接続して測定したところSARK110での結果はこのようになりました。30MHzまで使用可能だとの説明でしたが21MHzが限界のような感じがしました。18MHzでは問題なく使えそうです。

 

実際のアンテナでは測定が難しいのでMMANAでシミュレーションしてみました。バランなしで、給電高さを3mとして計算したものです。

シミュレーションの結果、水平偏波の利得は5.25dBi, 18.1MHzでのSWRは5.12でしたが、最大放射仰角は31.1度とまずまず満足のいく結果でした。組み立てて測定した時の様子です。

とりあえずアンテナの全長は波長の103%程度のだが、カーボンロッドを使ったデルタループが使い物になるのかの検証として、SARK110を使ってHF全バンドについて周波数特性を観測してみました。

 

明らかに18.1MHz近くにSWRが低くなるところがあるようですので、この部分をさらに詳細に観測することとしました。SWR最低周波数は17.650MHzで、SWRは1.08:1した。

デルタループの特徴としてSWRのグラフは非常にブロードでこれでも18MHzバンドの全体で1.5以下のSWRに収まっていました。

スミスチャートの中の赤い円はSWR1.5の円です。

このままでも使用して問題はないが、スミスチャートでももう少し周波数調整すればよりよくなりそうな傾向が見えて来たので、第2弾でやってみたいと思います。

更にそのほかの特性も見てみました。

SWR最低の周波数は17.65MHzで、18.1MHzでのインピーダンスは57.457+j10.936Ωでした。

以上 



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2 コメント

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Unknown (監督)
2022-05-01 19:02:56
お~、素晴らしい出来じゃないですか!
移動での設営には軽いのが一番ですよね。
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監督へ (iau9229)
2022-05-02 14:31:49
コメントありがとうございました。
もう少し調整しようとしてますが、宇都宮は小雨が降りだしましたので中止です。
軽いので伸ばしたロッドの片方のみさしても倒れず、一人でも十分に設置できそうです。
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