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前報に続き、工作編です。
今回工夫した点は、給電部を長辺エレメントに取り付けるときにM5の高ナット(長さ20mmの長いナット)を使い、給電側をアルミの丸棒にM5のねじを切って取り付けることで取り付け位置を自由に変更できるようにしたことです。
まず、外観図を示しました。
製作には以下のような材料を用います。
エレメント本体はアルミパイプの5mmD品を用い、給電部には取り付けやすさなどから5mmDのアルム丸棒を用いた。特に最終的なアンテナ調整のために給電部を左右に移動させることが必要なことから、真鍮にクロムメッキをしたM5高ナットと呼ばれる長さ20mmのM5 ナットを用い、ナットに直角に穴をあけて長辺のパイプエレメントに通すことでねじ部分にはネジを切った5mmDの
丸棒を固定し、反対側にM5で給電部を固定することが可能になりました。この高ナットにはステンレスは硬くてとても自宅での加工には不向きですのでお勧めしません。
1. 高ナットの前加工
M5高ナットに5mmDの穴あけ
まず3mmDで予備の穴を中央にあける。まず、部品の作成からです。
反対側からも3mmDの穴をあける。
5mmDで貫通穴にする。
最終的にアルミ管と合わせてみて、通らなかったら5.5mmDで大きくする。
最後にバリがあるようなら、やすりを使ってバリをとる。
2.給電エレメント(E,F)の加工
まず5mmDのアルミ丸棒を万力に垂直に固定する。
M5のダイスをダイスハンドルに固定してM5が刻印されているほうからアルミ棒に水平に当ててゆっくりと回し。5mm程度長さのねじを形成する。
アルミ丸棒で作成した給電部をM5高ナットにねじ込んだところです。
3.給電部の制作
エレメントE,Fの先端は、高ナットにねじ込んだ後、面をそろえて表面をやすりで削り、取付け穴を3mmで開けておく。
位置は組みあがったすべてのエレメントとアクリル板の穴間隔に合わせて穴の位置を決める。
エレメントE,Fの取り付け
VE16に通す前に組み立てておくと入れ忘れがなくてうまくいく。
M5 15mmのビスできつく閉まらないようであれば、開けた穴が中心からずれた可能性があるので、この場合は、高ナットの向きを上下変えるとうまくいくはずです。
エレメントE,Fの先端は、高ナットにねじ込んだ後、面をそろえて表面をやすりで削り、取付け穴を3mmで開けておく。
位置は組みあがったすべてのエレメントとアクリル板の穴間隔に合わせて穴の位置を決める。
4.VE-16塩ビパイプの穴加工
300mm間隔で5mm径の穴をあける。
エレメントは入りにくいときは5.5mmのドリルで少し穴を大きく広げる。 VE-16パイプに穴あけする際は幅69.1mm(パイプの外周に同じ)の定規を紙で作り、もの紙定規上に34.6mm間隔でマークを付けておくとそこがちょうど反対側の位置になります。
長辺エレメント(A,B)の加工を始めるまでにVP-16に作った穴に通しておく必要があります。先端加工した後では穴を通すことができなくなります。
上部先端にVP-16用のエンドキャップを付けておくと格好がよくなります。
5. 長辺・短辺エレメントの加工
短辺エレメントを304mmで2本用意する。
先端部7mm程度をペンチでつぶす。
先端から5mmの所にポンチを打つ
3mm径の穴をドリルで開ける。
長辺エレメント(1m)は、塩ビパイプに挿入後、同様に加工する。
6.シュペルトップバランの作成
シュペルトップバランの短縮率には種々情報があったが、実際のケーブルを使った実験を含んだWebページに行きつき、その時の実験データから短縮率を求めた。使用したデータの出典は、
https://ji3csh.air-nifty.com/blog/2021/05/post-33f004.html
実験では、1mの5D-2Vを使い、ディップ点を計測し、42.197MHzを得た。ことから、光速を299.792458Mm/sec、とし、42.19MHzの1/4λを1.7761479mと求め、1mに対する短縮率を求めた。
外被絶縁物の誘電率εr: 3.1547, 短縮率:0.563
これにより、5Dないし3D同軸では外皮絶縁物の素材が同一であることから、145MHzの1/4λ用には 291mm長さを計算して求めた。
シュペルトップバランの製作法については、ガラクタ製作所Webを参考にし、わかりやすかったので、写真も使わせていただいた。
http://www.takatoki.justhpbs.jp/garakuta/garakut3/syuperu/syuperu.html
同軸ケーブルの網線を最終長さは太くなった外皮にまくために長めの網線が必要となり、390mm長さ用意する。
先端部にターミナルを付けるために35mmの余裕を設けて、給電線の端部から326mmの位置から5mmの幅で外皮をとる。
網線をかぶせて外皮にできるだけギリギリのところを、細めのメッキ線できつく縛る。
余った編み線を折り返し、網線同士をはんだ付けする。
反対側(アンテナ給電部側)も仕上がり寸法より1mmほど内側をメッキ線できつく縛る。
縛ったところから2,3mmで網線を切りそろえる
きれいに折り返してはんだ付けする。
出来上がったシュペルトップバランは自己収縮テープと絶縁テープなどで外からの雨水などの侵入を阻止しておくとSWRの天候による変化を最小にすることができます。
7.エレメントの組み立て
長辺エレメントと短辺エレメントをM3 x 10mmのねじで固定する。
- 給電部はアクリル板を介して給電部を固定した。
- エレメントA,Bは、VE16パイプと穴をあけたM5高ナットに通した後、先端をペンチで7mmつぶして、3mmの穴をドリルで開ける。(先につぶしてしまうとVE16の開けた5mmの穴と高ナットの穴には通らなくなるので要注意)
- C,Dエレメントの先端もペンチで7mmつぶし、3mmの穴をあけておく。
- A,B,C,D,E,FのすべてのエレメントをM3 x 10のビスとナットで組み立てる。
- バランを付けた引き出し線は短辺を横切って引き出すようにする。結束バンドで固定してもよい。長辺側を近くで横切ると」共振状態が大きく変化してチューニングが難しくなります。
8.アンテナ特性を計測する。
アンテナアナライザーSARK110を用いて計測する。計測する前にDSL補正を行いました。測定した条件設定は、
Center: 145.000.000
Span: 8000.000
Start: 141.000.000
Stop: 149.000.000
Points: 500
としました。
アンテナの最終調整にはリアクタンスXsをバンドの中央付近で“0”に近づけるようにエレメントE,Fを左右に動かして最終位置を決めた。
SWRが最低になったところでのデータは
でした。
同時に計測したスミスチャートがこれです。
End
7Feb, 2025
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