オートアンテナチュナーボード ATU-100を製作しました
最近気になるオートアンテナチュナーのキットを見つけました。
eBay で見つけたものでオートアンテナチュナーのキットです。
なんと価格は$35.25(送料込み)、私が買った時は$38.23でした。送り方については
Shipping: FREE Economy Shipping from China/Hong Kong/Taiwan to worldwide
と記載されており、急ぎでなければ無償で郵送しますとのことでしたので早速注文しました。 まあ急ぐアイテムでもなかったのでのんびり待っていたらCOVID19の影響もあり、1か月ほど掛かって中国深圳市(シンセン)から届きました。何か説明資料なりがあるのかと思って開けてみたが何もなく、Webの紹介もなかったので、見つけまでにかなり手こずることになりました。
技術的特性、 «ベースモデル»
見つけた資料にあった仕様一覧は
許容供給電圧の範囲: 10-15 V DC
最大消費電流: 400 mA *
最大作動電力: 100ワット
最大可能測定電力: 150ワット
調整を開始するために必要な最大電力:5ワット**
測定可能な最小電力: 0.1ワット
最大10ワットの電力での測定ステップ:0.1ワット
10ワットを超える電力での測定ステップ:1ワット
電力測定の精度: 10%
最大設置インダクタンス: 8.54μH
インダクタンスの最小取り付けステップ:0.05μH
最大設置容量: 1869 pF
容量の最小取り付けステップ:10 pF
*典型的な消費 150- 200 mA
**一部のパラメータは、必要に応じて変更できます。
部品リストもないので届いた部品で足りているのかどうかが不明だったのであちこちウェッブサーフィンして資料収集に努めた資料ベースでこの解説を作成しておこうと思いこの記事をまとめました。
梱包に入って届いた部品のすべてを並べてみたがこれだけでした。
探し当てたウェッブページがここです。すべて英文ですがGoogle 翻訳にかけるとほとんど理解可能だと思います。 最近のGoogle翻訳はずいぶんと進歩しているようで
https://github.com/Dfinitski/N7DDC-ATU-100-mini-and-extended-boards
このページで読むことができます。 この中で
N7DDC-ATU-100-mini-and-extended-boards/ATU_100_EXT_board/ATU-100_Extended_Board_User_Manual_eng.pdf
という文書が手助けになりました。自身の助けになるようにこの文書の和文も作成していますのでご希望の方はご連絡ください。
部品一覧ですがこのウェッブにありましたので見やすく作り直しました。 また、部品番号は回路図にも一部表示がなく戸惑いました。
部品表と回路図
回路図は
この回路図が今日現在(2020、8月)では最新でした。図面は
https://easyeda.com/rolin791/atu-100-7x7
で入手できます。
U1、 C1、 C2、 C3、 C4、 C5、 C6、 C7についてはすでに基板にはんだ付けされていました。 全ての抵抗、コンデンサは部品と基板にシルク印刷された値のものを選んで付けていきます。 R1,2は50Rと指示されていますが実際は49R9の表示で49.9Ωの6432サイズのもので、たぶん1Wの抵抗でした。
その他部品表にある部品はすべて多めに梱包されているのがわかり作業開始です。
D1, D2は基板にも部品にも名称の記載がなく、最後までどの部品なのか判明しなかったので手持ちの1N5711 を使用しました。 コイルはL1 からL7,そしてT1/T2の2連のマッチングトランスは手巻きが必要です。
コイルの準備
コイルの製作には少し情報が不足しているようなので私の理解したことを少しまとめておきました。
内容は回路図の中にある小さな注意事項とパーツリストにあった情報です。
L1: 密巻き空芯コイル、 0.5mm径のエナメル被殻のワイヤーを4mm径の金属棒(私はオートパンチの軸を使用しました)に3回巻き付けて、取り出し位置を並行位置にした。 0.05μH(実測も0.048μHだった)
L2: 密巻き空芯コイル、 0.8mm径のエナメル被殻のワイヤーを6mm径の金属棒(私は+ドライバーの軸を使用しました)に4回巻き付けました。 0.1μH (実測は0.09μHでした)
L3: 密巻き空芯コイル、 0.8mm径のエナメル被殻のワイヤーを6mm径の金属棒(私は+ドライバーの軸を使用しました)に7回巻き付けました。 0.22μH (実測は0.21μHでした)
L4: T58-2アミドンコアに0.8mm径のエナメル被殻のワイヤーを8回、できるだけ均等に巻きつける。0.45μH 実測も0.45μH
L5: T58-2アミドンコアに0.8mm径のエナメル被殻のワイヤーを13回、できるだけ均等に巻きつける。
1μH
L6: T58-2アミドンコア2個に0.8mm径のエナメル被殻のワイヤーを13回、できるだけ均等に巻きつける。 2.2μH
L7: T58-2アミドンコア2個に0.8mm径のエナメル被殻のワイヤーを19回、できるだけ均等に巻きつける。 4.4μH
各コイルのリード線は根元からきれいにエナメル被覆をはがし、ハンダコートしてエナメルの残りがないことを確認しておきます。
トランスT1,T2: アミドンコアBN-43-202の両側に0.5mm径のエナメル被殻のワイヤーを10回ずつ巻き、エナメルをよく剥がしてはんだ付けし、ピックアップ側のワイヤーを0.8mm径のエナメル被覆線の残りで作り、熱縮チューブをかけて耐圧を上げ1回通してはんだ付けした。 これで10:1のトランスが二つできたことになります。
このままでは5Wでのチューニングは難しかったが読者の方からのご指摘でこのトランスを8:1に変更したところ5Wでも十分にチューニングが取れましたその後WEB上に追加技術情報を見つけました。記述内容は
31― 測定された電力の上限に依存するタンデムマッチの巻数の比率を設定するためのセル。 デフォルト値は10で、これは測定された最大電力が約150ワットに相当します。 最大1500ワットの電力を測定できるようにするには、高電力表示モードと1〜32の比率のタンデムマッチを使用する必要があります。電力が40ワットを超えない場合は、タンデムマッチを使用して1:5回巻きの比率。 これにより、1〜5ワットの最小電力でより適切に機能します。他の電力値については、最大電力でのマイクロプロセッサの測定入力の電圧がPIC16F1938プロセッサでは4.096ボルト、PIC18F2520プロセッサでは5.0ボルトを超えないように巻数比を計算する必要があります。
多分出力表示が変化するだろうが、現在表記部が破損しているので代品が届いたら様子を見ることにしました。
取り付け手順
- チップ部品の取り付けになれるためにもR1,R1の大きめ(6432サイズ)の9Ωの抵抗二つの抵抗からはんだ付けしてみてください。 入出力端子の裏側にあります。 基板上には50Ωと書いてあります。
- 1μF、19か所を見つけてください。基板上では1uと記されています。 リレーS3につけるコンデンサは回路図上1μFですが基板上のシルクは1と書かれており、多分ミスプリントだと解釈して1μFを付けた。
- 10nF,6か所(ID#18,28)を見つけて取り付けます。 TR群の近くと入出力端子の裏側近くにあります。 リレー取り付け側にも入力端子そばにも2か所あります。
- 0.1μF、3か所を見つけてください。TR群の近くに全てあります。
- BAT41 または1N5711を方向を間違わないように注意してはんだ付けしてください。
- ここからは抵抗の取り付けです。 最初に50Ωはすでに取り付けましたので、58Ω、2個から取り付けます。 場所は入出力端子のそばです。 それぞれ10nFとペアになっています。
- 10kΩ、4個。 いずれもTR群の近くにあります。
- 34kΩ、2個。 L7(2連アドミンコイル)のそばです。
- 1kΩ、1個。 Button端子のそばです。
- トランジスタ 2N7000, 15個を慎重に取り付けます。パッド感覚が非常に近いので先端の細いはんだごてが必要です。 回路図の注釈には2N7002となっており、これが代品で入っていることがありそうです。
- L1からL7までのコイルを切込みによく合わせながら取り付けていきます。 基板上の表示はL1: 0.05μH, L2: 0.1μH, L3: 0.22μH, L4: 0.45μH, L5: 1μH, L6: 2.2μH, L7: 4.5μHとマークされています。
- T1,T2トランスは細い線で10回巻いた線を小さい方のパッドに繋ぎ、1ターンの太い線を大きめのパッド(中心側)にはんだ付けします。
- 2Pのターミナルを基板に垂直になるように注意して、2か所取り付ける
- 5Pのコネクターを取り付けます。
- 最後にSMA端子を2か所取り付けて終了です。
シリアルディスプレイの接続
いろんなところの記述から想像して、接続をしたところうまくいきました。その接続が
ATUのコネクターは1-5ピンだが実際使うのは2-4PINだった。
また、私がケースに取り付ける際に少し強めに締め付けたところディスプレイの一部が内部で破損してしまい表示しなくなったので、最終組み立てには注意する必要があります。
RB1, RB2ボタン取り出し
基板ハンダ面に小さくRB1, RB2の表示がありここから取り出して、ノーマル・オープンの押しボタンSWに繋ぎました。100nF(表示104)のMLCCをSWの端子間に固定して片側を図で示したRB1とRB2端子に接続し、反対側をGNDポイント、(ディスプレイ用の端子#3)から取り出しました。
ケースの加工
ケースはタカチ電機工業のKC 4-10-17 GSを使用しました。 サイズは少し余裕を持たせたつもりだったが計画が割る子うまくいかなかった。
これでもeBayでこのキット用に販売しているケース(US$25.0)に比べると¥1,390と安上がりで、しかも加工も楽しめました。
電源を入れて、立ち上がりの瞬間だけこのような表示が出ます。 システムがVer3.0であることがわかりました。 その後、表示はこのようになります。
使用したケースの上下カバーはアルミ押出材だが正面と背面パネルはいずれもABS樹脂が使われており、
導電性は望めなかったので特に背面につけるM-コネクタと基板のGNDとの接触抵抗を下げる工夫を手元にあった銅の薄板を加工して行いました。
一方正面パネルにはAuto, BypassとButtonと書かれたチューニング・リクエストのボタンと電源ON/OFFスイッチを設けた。
試験中、現在表示板はネジの締め付け過ぎで破損のため動かなくなったが、ATUは動いてSWRもうまく下がります。ただし入力は7W以上が必要なようで5Wだけでは動きませんのでFT817にはATUとの間に少し増力する必要があります。 調整用のアンプを検討中です。
背面の配置は
背面には二つのM-コネクタのほかには、電源のほか、どうしてもSWRが下がらないとき、ラジアルを引けるようにアースプラグもつけています。
製作を試みようと思われる方はぜひ製作前に本文中に示した各説明書を理解し、チップ部品のはんだ付けを練習してから始められることをお勧めします。
また、筆者はこのキットの設計者、販売業者等とは何らかかわりを持ちませんのでマニュアル、およびここに書かれた内容については単なる可能性を示したに過ぎないことをご理解ください。 したがって、著者はここに書かれた内容について一切の責任をとりえませんのでご了承ください。
END:Aug 2020
回答ありがとうございました。そうですか、では少しだけ感度が上がればいいので1ないし2回ほど巻き数を減らしてみたいと思います。でも最後は5回巻きになるかもしれませんが。
これもできるとFBです。どうしようかと考えこんでいましたがこんな方法があるんですね。ありがとうございました。
差がわかっていればそれでも使えると思います。ありがとうございました。調べたら追加資料にも出ていました。
追加資料に;
31― 測定された電力の上限に依存するタンデムマッチの巻数の比率を設定するためのセル。 デフォルト値は10で、これは測定された最大電力が約150ワットに相当します。 最大1500ワットの電力を測定できるようにするには、高電力表示モードと1〜32の比率のタンデムマッチを使用する必要があります。電力が40ワットを超えない場合は、タンデムマッチを使用して1:5回巻きの比率。 これにより、1〜5ワットの最小電力でより適切に機能します。他の電力値については、最大電力でのマイクロプロセッサの測定入力の電圧がPIC16F1938プロセッサでは4.096ボルト、PIC18F2520プロセッサでは5.0ボルトを超えないように巻数比を計算する必要があります。
とありました。
ご指摘ありがとうございました。
差がわかっていればそれでも使えると思います。ありがとうございました。調べたら追加資料にも出ていました。
追加資料に;
31― 測定された電力の上限に依存するタンデムマッチの巻数の比率を設定するためのセル。 デフォルト値は10で、これは測定された最大電力が約150ワットに相当します。 最大1500ワットの電力を測定できるようにするには、高電力表示モードと1〜32の比率のタンデムマッチを使用する必要があります。電力が40ワットを超えない場合は、タンデムマッチを使用して1:5回巻きの比率。 これにより、1〜5ワットの最小電力でより適切に機能します。他の電力値については、最大電力でのマイクロプロセッサの測定入力の電圧がPIC16F1938プロセッサでは4.096ボルト、PIC18F2520プロセッサでは5.0ボルトを超えないように巻数比を計算する必要があります。
とありました。
ご指摘ありがとうございました。
このチューナーは任意長のロングワイヤーアンテナでも使えますか?
エレメント側はアンテナ端子の芯線側に
アースはコネクタ辺りのネジから取ればよろしいでしょうか?
質問のレベルが低く申し訳ありません。